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清水建設が目指すRevit基盤の一気通貫BIM、5億円を投じ2021年度に完成BIM

清水建設は、3年間で5億円を投じ、オートデスクのRevitをコアに据え、設計・施工・製作・運用がBIMでつながるプラットフォームの構築を進めている。積算業務の効率化と鉄骨造のコストダウンを図るべく、オートデスクのBIMソフトウェア「Revit」用のアドオン「KAP for Revit(K4R)」を開発した。

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 清水建設は、オートデスクのBIMソフトウェア「Revit」をベースにして設計・施工が連携したBIM「Shimz One BIM(設計施工連携BIM)」の構築を進めている。その一環としてこのほど、設計者が作成する鉄骨造のRevit構造データを鉄骨の積算や製作(発注)で必要なデータに変換するツール「KAP for Revit(K4R)」を開発して、運用段階に入ったという。

構造設計者のPCにK4Rを標準装備

 Shimz One BIMは、設計者が作成する構造図などの設計BIMデータを施工から、製作(発注)、運用に至る段階まで一気通貫でつなぐことで、「無駄なく、速く」を実現するシステム。清水建設がRevitをBIMの基盤にする理由は、高い互換性を備え、国内外でデファクト・スタンダード化しつつあるためだとしている。

 システムの構築自体は、中期経営計画(2019〜2023)で示した生産性向上施策に基づき、2021年度中の完成を目指して、3年間で約5億円を投じ、システムを開発する。


「Shimz One BIM」のイメージ 出典:清水建設

 今回、Shimz One BIMのうち、鉄骨造対応のK4Rを開発し、既に全構造設計者のPCに標準装備が完了して、実案件での適用を始めている。

 なぜ鉄骨造への対応を先行させたか、その背景には、建築工事の大規模化や人手不足によって急増する鉄骨造建築物に対し、鉄骨の積算業務は負荷が大きく、鉄骨のコストも高くなっていることがある。

 K4Rは、Revitで作った構造データを清水建設の鉄骨専用CADソフト「KAPシステム」用に変換するツール。KAPシステム自体は、40年以上前から今日のBIMにつながる考え方が盛り込まれたCADソフトで、3次元モデルから鉄骨の積算や製作(発注)などに必要な加工情報が取得できるように設計されている。しかし、KAPシステムは独立したシステムのため、必要なデータを1から入力しなければならず、手間と時間の削減が運用上の課題だった。

 新たなRevitアドオンK4Rによって、大規模物件であっても構造データが数時間のうちに自動的にデータ変換されるため、以前は数日かかっていた入力作業が省略される。

 主な導入メリットとしては、設計段階で、構造設計者が鉄骨数量を的確・容易に把握し、経済的な構造プランを追求できることにある。経済的な構造プランは、受注競争力を強化させ、発注者側にとってもコストダウンがもたらされる。

 積算・発注段階では、製作する鉄骨の仕様や数量を容易につかめる他、鉄骨ファブともデータ連携しているため、積算数量の整合など、両者の関連業務が大幅に効率化される。

 また、施工段階でも、現場での鉄骨工事における施工図の作成業務を最大50%程度省人化。K4Rの最終目標では、鉄骨の調達情報を本社で一元管理し、全社コスト戦略の立案や全社レベルでの鉄骨調達に活用することで、コスト競争力を一層高めることを構想している。

 Shimz One BIMの次のステップでは、鉄筋工事や型枠工事、設備工事にも適用範囲を広げていくとしている。

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