意匠性チタン「TranTixxii」が新潟県の基幹スポーツ施設「謙信公武道館」で採用:建材
日本製鉄が2017年にリリースした意匠性チタン「TranTixxii」は、軽量(比重は、鉄の60%、銅の50%程度)で、高所作業の効率化や工期短縮、耐震性向上による躯体構造への負荷軽減に役立つ点などで評価されており、堅調に導入件数を増やしている。2019年12月1日には、新潟県上越市で開業した「謙信公武道館(新潟県立武道館)」の外装(屋根)とサインにも採用された。
日本製鉄は2019年12月24日、意匠性チタン「TranTixxii(トランティクシー)」が、新潟県上越市で同月1日にオープンした「謙信公武道館(新潟県立武道館)」の外装(屋根)とサインに採用されたことを発表。施工部位は、入り口の庇(ひさし)と正面入口のサインで、標準仕様のロールダルにブラストを打ち、その後の工程では、発色を施したコルテン色と柿(コケラ)色のチタンが導入された。
施工は地場産業が実施
TranTixxiiは、優れた意匠性やチタンの特性である軽量で高い堅牢性を有す他、高耐食性能によるメンテナンス負荷軽減と金属イオンの溶出が少なく環境に優しいという特徴がある。
今回の発注者は新潟県で、設計は松田平田設計が担当し、外装施工は、鹿島建設北陸支店と高舘組の指示のもと、サンメタルが手掛けた。また、入り口のサインは、米澤藩主で上杉家第17代当主の上杉邦憲の揮毫(きごう)をもとに、ヨシダ宣伝が製作・施工した。高舘組やサンメタル、ヨシダ宣伝はいずれも新潟県に本社を構える企業。
謙信公武道館は、新潟の県立基幹スポーツ施設として、全国レベルの競技会などの開催や年間を通じた武道の競技力向上、県民の健康保持増進を目的に建設された。オープン記念として、2020年4月8日に春巡業の大相撲上越場所が開催されることも決定している。
日本製鉄は、謙信公武道館のTranTixxii採用をきっかけに、新潟県の直江津製造所で製造するチタンにより地場産業に貢献する活動への取り組みを一層強化していく。また、国連で採択された「持続可能な開発目標」(SDGs)にも合致した活動を通じて、社会の発展にも貢献していくという。
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