ひびみっけに新機能、はく離や鉄筋露出、漏水などの自動検出も可能に:社会インフラテック2019
富士フイルムは、社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」に新機能として、はく離や鉄筋露出、漏水などの損傷を自動検出する「多項目検出機能」を搭載する。
富士フイルムは、インフラ維持管理・老朽化対策総合展「社会インフラテック2019」(会期:2019年12月4〜6日、東京ビッグサイト)に出展し、社会インフラ画像診断サービス「ひびみっけ」の新機能「多項目検出機能」を披露した。
はく離や鉄筋露出などのDFXデータ出力にも対応
ひびみっけは、橋梁(きょうりょう)の床版や橋脚などのひびわれを検出するサービスで、2018年1月にリリースされた。ひびみっけは、サービスに登録することで、対象物のひび割れを抽出するクラウドが使えるサービス。
ワークフローは、対象物をユーザーが撮影し、その画像を専用のクラウドにアップロードすることで、ひび割れの抽出やひび幅別の分類、変状展開図の作成、チョーク検出などが行える。処理が完了した画像は、プレビュー画面で確かめられ、積算データやDXFデータ、対象物の部分ごとの写真をつなげた合成画像として出力できる。
利用料金は、写真1枚あたり、チョーク検出で最大800円〜、ひび割れ検出が400円〜(いずれも税別)で、現在、全国600社以上の企業でサービス登録されている。
多項目検出機能は2020年3月に実装予定の機能で、画像からひび割れ以外のはく離や鉄筋露出、漏水、遊離石灰、サビ汁などの損傷をAIで自動抽出する。富士フイルムの担当者は「はく離や鉄筋露出、漏水、遊離石灰、サビ汁などの損傷もDFXデータでの出力に応じる予定だ」とコメントしている。
この他、会場では、将来的に追加される機能として、ピンボケしている画像を明示する画像チェック機能や撮影した複数の写真から3Dモデルを生成する機能、ユーザーの対象物の撮影を支援する治具提供サービスなどが紹介された。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 作業時間を劇的に改善、高性能カメラとAIでひび割れ点検
大林組は、富士フイルムが開発したインフラ点検の画像解析サービス「ひびみっけ」と、高性能カメラを組み合わせ、目視点検に比べて作業時間を大幅に短縮するコンクリート表面のひび割れ自動検出手法を確立した。 - 橋梁の“AI点検”を開発・検証する拠点を富士フイルムが2019年3月長崎に開設、県や長崎大と協力
富士フイルムホールディングスは2019年3月1日、橋梁(きょうりょう)やトンネルなどのインフラ構造物の点検・診断業務を効率化する“次世代AI技術”の研究・開発拠点「Brain(s)九州」を長崎県長崎市に開設する。富士フイルムでは、AIを搭載した橋梁コンクリートのひび割れ診断サービス「ひびみっけ」を展開しており、新拠点では長崎県と長崎大学の協力の下、より高度なAIを共同で開発し、実証実験で検証しながら、社会実装を目指す。 - 画像からひびを自動検出、富士フイルムがインフラ点検に参入
富士フイルムが社会インフラ点検市場に参入。2018年4月から、橋梁などの撮影画像から自動でひび割れの検出などが行えるクラウドサービス「ひびみっけ」を提供する。 - キヤノンが提案する豊富なカメラ・レンズ群を使った「AIひび割れ検知」と「ドローン点検」
キヤノンとキヤノンマーケティングジャパンは、一眼レフカメラを用いたAIによるひび割れ検知やドローン点検の開発に注力している。2018年7月18〜20日に東京ビッグサイトで開催された「メンテナンス・レジリエンスTOKYO 2018」内の「第10回インフラ検査・維持管理展」で、インフラ構造物の点検ソリューションを提案した。