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晴海に隈研吾氏が監修した「CLTパビリオン」が誕生、1年後には産地の真庭市へ移築CLT(2/4 ページ)

東京都中央区晴海に国産材活用のシンボルとなるパビリオンが誕生した。CLTを680立方メートル使用した木の現しが特徴的な建物は、隈研吾建築都市設計事務所がデザイン監修したもので、これまでCLTの一般的な用途だった壁や床ではなく、梁として使用されている。解体後に移設・再築が可能な構造で設計されており、1年間の運用後には、木材が生産された岡山県真庭市で建築物として第2の人生を送るという。

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壁や床ではなく、CLTパネルを「梁」で使用

 CLT PARK HARUMIの全体スケジュールとしては、2019年6月26日に着工し、竣工は同年11月29日。12月14日の開業から1年後の2020年秋には、解体工事に着手し、同年冬に真庭市の国立蒜山公園内に移設される。

 敷地内には、中央に位置する高さ18メートルのパビリオン棟と、それを囲むように配された屋内展示棟A/B棟がある。パビリオン棟は、CLTパネルを構造材料として採用したこれまでに無い試みで、梁(はり)の一部分をCLTで構成。鉄骨の柱とCLT梁の組み合わせという、新たな混合構造の可能性が示されている。

 構造自体はラーメン構造とし、鉄骨柱とパネルを接合する鉄骨部分は、CLTパネルに挿入した鋼板をドリフトピンで留めることで一体化。さらに移築を想定して、鉄骨柱と接合部の間は、ボルト接合とすることで、各パネルがボルトの取り外しだけで、鉄骨の接合部を付けたまま運搬できるようにしている。真庭市での施設維持も当初から考慮されており、数メートルの積雪にも耐えられることが、構造設計段階から想定されている。


7枚の板材で組み合わされたCLTパネルに挿入されている鉄骨の接合パーツ

ボルト接合された鉄骨柱とパネルを接合する鉄骨部分

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CLTで“循環型社会”を実現!隈研吾×三菱地所×真庭市の「CLT 晴海プロジェクト」始動

 三菱地所と隈研吾建築都市設計事務所、岡山県真庭市の3者は2019年2月14日、東京・晴海地区で、CLT(Cross Laminated Timber/直交集成板)を用いて、国産材の利用促進と地方創生を目的とした「CLT 晴海プロジェクト」を始動させた。

 プロジェクトでは、真庭市で伐採されたスギ・ヒノキをCLTに用い、東京五輪開催に合わせたイベント施設を晴海に建設する。2020大会終了後には、生産地・真庭市の国立公園へと施設を移築し、地域のランドマークとして再生させる。

使用されている真庭市産ヒノキのパネル枚数は?

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