ビル設備の状況を3Dで表示する制御システム、三菱電機エンジが2020年1月発売:BAS
三菱電機エンジニアリングは、ビル設備の状態を3次元グラフィックでリアルタイムにモニタリングできる新しい制御システムを発売する。
三菱電機エンジニアリングは2019年11月25日、工場やビル設備の稼働状況をリアルタイムかつ3Dグラフィックで立体的に表示できる監視・制御システム「e1-Works(イーワン・ワークス)」を2020年1月下旬に発売する。
工場やビルのリアルな監視・制御を実現
e1-Worksは、2次元ではリアルな表現が難しい建物や設備の監視画面を3Dによるグラフィカルな画像と動画で表示する。最大6画面の拡大/縮小や社内ネットワーク環境を活用したWeb上での監視が可能で、汎用性の高い米Microsoftのデータベースアプリケーション「SQL Server」を活用し、リアルタイムデータや状態/警報履歴データなどを容易に分析できるため、生産性向上に貢献する。
機器の制御は、個別/グループ/スケジュール、オプションで目標電力の超過が予測された場合に「投入優先」や「サイクリック」などを行うデマンドを用意。さらに集中監視やリアルタイム計測で、異常を早期発見して予防保全につなげる。使用電力も、デマンド監視制御によるピークカットで、エネルギーの超過抑制を実現する。
三菱電機製のSCADA ソフトウェア「MC Works64」の豊富な機能やオプションパッケージを採用しているため、工場の生産管理や設備保全など、利用目的に応じた監視・制御システムをオーダーメイドで構築できることもウリとなっている。
システム販売価格はオープンで、発売日は2020年1月下旬。販売目標は、近年の工場やビル設備で生産性や予防保全、省エネへの意識が高まっていることを受け、年間5000万円を見込む。
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