働き方改革を促すオフィス環境の構築や“AI”を使ったビル設備の自動制御、NTTファシリティーズ:BEMS
NTTファシリティーズは「第3回 スマートビルディングEXPO」で、戦略的オフィス構築・マネジメントサービス「オフィスFM」の提案を行った。オフィスFMは、適切なオフィス環境から働き方改革・生産性向上を図るサービス。ブースでは他にも、AIやIoTを活用したビル設備の自動制御、ビルオートメーションで今後のトレンドとされる「サイバーセキュリティ」に関するセミナーも開催された。
NTTファシリティーズは、「第3回 スマートビルディングEXPO」(「住宅・ビル・施設Week 2018」内、2018年12月12〜14日、東京ビッグサイト)の自社ブースで、適切なオフィス環境の構築から働き方改革・生産性向上を促進する「オフィスFM」を提案した。
モニタリングで現状の問題を分析し、シミュレーターで設備計画を立案
オフィスFMは、オフィス環境の企画・調査から計画、構築、運用までをPDCAで改善する“ワークプレースマネジメント”。定量化されたデータをベースに、オフィス環境の構築と、継続的なマネジメントによって、オフィス内の生産性を向上させる。
具体的には、現状のオフィス状況を知るためセンサーを使ったワーカーのモニタリングから、行動特性や組織間近接度などを把握。分析に基づき、シミュレーターで最適な計画を策定し、メーカー・ベンダーにとらわれずに什器・ICT設備・B/C工事・セキュリティといった設備を配置する。オフィス環境を改善した後は、効果検証や運用支援までをサーポートして行う。
ブースでは他に、IoTやAIを採り入れたビル設備制御のシステムも参考出品された。
カメラ画像の活用では、センサーデバイスのデータをゲートウェイに取り込み、AIで解析。オフィス、データセンター、病院などのさまざまなシチュエーションに合わせて、省コスト・省エネで快適な空間が実現する。
会場では、撮影したカメラ映像から、AIによって人の顔や紙(書類)を認識し、ライトの照度を自動で調整。実現すれば、例えば打ち合わせをしているとAIが判断すれば、適切な照明の明るさになったり、適切な空調設定に自動でコントロールされる仕組みだ。
他にもSNSチャットボットを使って、タブレットやスマートフォン上から会話形式で設備を操作する技術も披露された。ユーザーは手持ちの端末からクラウド上の汎用チャットアプリケーションで、BEMS(ビルエネルギーマネジメントシステム)に指示を出し、照明や空調の制御をはじめ、消費エネルギー、ビルの不具合状況、メンテナンス予定などを確認することができる。
ブースではセミナーも行われ、2018年7月に販売を開始したビルシステム向けサイバーセキュリティを対象にしたソリューションに関するテーマも行われた。
背景には、各種センサーやシステムからの情報をもとに、これまでそれぞれ独立していた個別ビルのシステムが統合して管理され、BASやBEMSなどのビルシステムが外部ネットワークと接続するケースが増えている。
その結果、外部からのサイバー攻撃で、病院の空調システムのハッキング、ホテルの電子キー管理システムのランサムウェアへの感染、ロンドンオリンピック開会式におけるスタジアム電力制御システムへの攻撃などが実際に起こっている。国内でも、東京五輪などの国際的なイベントを前に、施設に対するサイバーセキュリティ対策への重要度は高まりつつある。
NTTファシリティーズが提供する「IoT時代のビルシステム向けサイバーセキュリティソリューション」は、ビルシステムおよび内在するリスクを見える化した上で、セキュリティ対策を立案・提供するコンサルティングサービスと、ビルシステムのネットワークを常時監視し、サイバー攻撃の予兆検知、分析、即時遮断を実施するマネージド・セキュリティ・サービス(MSS)の2つで構成。
これにより、従来ある自然災害、人的災害(不法侵入・火災など)、設備故障(停電・機器故障など)のリスクに対する安心・安全ソリューションに加え、ビル内の電気設備、空調設備、防災・防犯設備などについても強固に防御することが可能になる。
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