三井不動産のロジスティクス事業が加速、船橋の大型物流施設は完成間近:プロジェクト(3/3 ページ)
三井不動産は2012年、わずか10人で構成される物流施設事業部を発足し、2015年にロジスティクス本部として独立。2016年に三井不動産ロジスティクスパークとして上場した。2019年10月末時点で、開発を手掛けた物流施設26件(延床面積220万平方メートル)が稼働済みだ。急速に発展を遂げた三井ロジスティクスパークは2019年11月5日、船橋エリアの「街づくり型ロジスティクスパーク」の第2期の完了と第3期の着手を告知した。
用地取得は相対取引を条件に
新たに「MFLP 八千代勝田台」「MFLP 鳥栖」「MFLP 所沢」「MFLP 大阪交野」「MFLP 海老名」の5つの物流施設を開発することも明かされた。
MFLP 八千代勝田台は、敷地面積3万5700平方メートル、延べ床面積7万5800平方メートル、地上4階建て。所在地は千葉県八千代市上高野字中野、上高野字笹立。国道16号宮内交差点から車で約5分で、東関東自動車道「千葉北」インターチェンジ(IC)から車で約25分の距離にあり、アクセスが良く、人口集積地から近い立地だという。着工は2019年7月、竣工は2020年8月を見据えている。
MFLP 鳥栖は、敷地面積3万1400平方メートル、延べ床面積3万5300平方メートル、地上2階建て。所在地は佐賀県鳥栖市市原町。九州の高速道路網の結節点である鳥栖ジャンクションとICから近く、九州全域に配送しやすいエリアとなる。国道3号線に位置し、JR「田代」駅も徒歩圏内だという。2020年1月に着工し、2021年3月に竣工する見通しだ。
MFLP 所沢は、敷地面積1万700平方メートル、延べ床面積2万1300平方メートル、地上4階建て。所在地は埼玉県入間郡三芳町。「所沢」ICから車で約8分の場所にあり、テナントからの建て替えの要望により、開発する。2020年5月に着工し、2021年5月に竣工する予測だ。
MFLP 大阪交野は、敷地面積3万3900平方メートル、延べ床面積7万2000平方メートル、地上4階建て。所在地は大阪府交野市星田北、牧方氏高田。第2京阪道「交野南」ICから車で約5分、JR学研都市線「星田」駅から徒歩約11分と、社員を雇用しやすい環境にあるという。2020年8月に着工し、2021年9月の竣工する予定だ。
MFLP 海老名は、敷地面積5万6700平方メートル、延べ床面積12万4400平方メートル、地上5階建て、免振構造。所在地は神奈川県海老名市中新田。JR相模線/小田急小田原線「厚木」駅から徒歩約11分、圏央道「海老名」ICに隣接しており、東名自動車道へのアクセスが容易だという。
2019年11月5日に開催された記者発表会で、三井不動産 常務執行役員 ロジスティクス本部長の三木孝行氏は、「ロジスティクス事業では、今回の5つの物流施設が加わったことで、稼働済みと開発中の物件を合わせて、総数が40物件、総延べ床面積は約360万平方メートルとなった。2012年4月の事業開始からの累計投資額は約5700億円に達する見込みだ」と説明した。
三井不動産のロジスティクス事業の特徴について、「競争入札に頼らず、オーナーとの相対取引で土地を取得していることだ。競入札に取り組まない理由は、土地を最高値で入札することになり、結果的に厳しい環境にある物流事業者に高い賃料を請求してしまうためだ。相対取引で、年間4物件の獲得を目標にしている」と解説した。
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