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“空の道”の整備進む、ドローン37台を運行管理システムに相互接続ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(1/2 ページ)

新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」を推進している。この計画では、インフラ点検などの分野で活用できる無人航空機やロボットの開発、社会実装するためのシステム構築および飛行試験などを実施。物流ドローンが都市部で安全に使える環境の整備を目指している。2019年10月23〜24日、福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」で行われた運行管理システムの相互接続試験では、一般事業者のドローンとつなげることを成し遂げ、ドローンを危険なく扱える土壌をさらに整えた。

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 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)、NEC、NTTデータ、日立製作所、ゼンリン、日本気象協会など※1は2019年10月30日、一般事業者のドローンと運行管理システムの相互接続試験が成功したことを発表した。

1平方キロ内に1時間で最高146フライト

 相互接続試験は、物流ドローンの都市部での実装などを目指した計画「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト」の一環として行われた。

 プロジェクトの最近の取り組みとしては、2019年6月28日に運行管理システムのAPIを公開し、同年10月3日に同システムの試験環境の構築を公表した。


2019年10月に実施した相互接続試験の参加事業者と各社の取り組み

 相互接続試験は同年10月23〜24日、福島県南相馬市の「福島ロボットテストフィールド」で実施され、ドローン事業者29者(約200人)が参加し、同一空域で所有者が異なる複数のドローンを安全に飛ばせるかを検証。最大37機のドローンが同時飛行し、1平方キロ内に1時間で最高146フライトさせた。


2019年10月に実施した相互接続試験における1時間のフライト数の詳細

NEC PSネットワーク事業推進本部 シニアマネジャーの橋本研一郎氏

 具体的には、福島ロボットテストフィールドの総合管制室に設置した運行管理統合機能を搭載したサーバや専用のAPI、APIサービスで、ドローンの飛行プランや状態などをコントロール。地図や気象データをそれぞれの出場者に提供し、操作をサポートした。

 NEDOのプロジェクトに参画する17社※2に加え、一般のドローン事業者12社※3が参入することで、システムの実用性や相互接続に関するセキュリティ対策の有効性を実証。物流、農薬散布、災害調査、警備、気象観測など、21種類の用途のドローンがシステムに接続された。

 2019年10月30日に開かれた記者発表会で、システムの開発に携わったNEC PSネットワーク事業推進本部 シニアマネジャーの橋本研一郎氏は、「2月の相互接続試験は、プロジェクトに参画する4社で挑み、使途は4つで、15分間で10フライト、同時飛行数10機が限界だった。同年10月の同試験では、全ての数値が大幅に上昇し、1機あたりが占有する面積も5万平方メートルから2万7000平方メートルと狭い範囲での運用を実現した」と説明した。


2019年2月(左)と10月(右)の相互接続試験の結果

※1、NEDO、NTTデータ、日立製作所、ゼンリン、日本気象協会、宇宙航空研究開発機構(JAXA)、福島県、南相馬市、福島イノベーション・コースト構想推進機構

※2、NTTドコモ、楽天、日本気象協会、KDDI、テラドローン、日立製作所、情報通信研究機構、SUBARU、日本無線、日本アビオニクス、三菱電機、自律制御システム研究所、スカパーJSAT、プロドローン、エンルート、イームズロボティクス、JAXA

※3、ワインデング福島、東日本計算センター、eロボティクス福島、名古屋鉄道、中日本航空、エアロセンス、ゆめサポート南相馬、日立産業制御ソリューションズ、三菱重工業、ALSOK福島、双葉電子工業、ANAホールディングス

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