連載
入職/離職などの労働移動の実態を調査「雇用の流動性が低下傾向に」:建設業の人材動向レポート(14)(2/3 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。第14回目となる今回は、入職/離職などの労働移動の実態を明らかにすることを目的に、厚生労働省が行っている雇用動向調査のデータから、建設業における入職者や離職者の動向について紹介する。
他産業からの転職入職者の比率が上昇
建設業の入職者のうち、転職入職者数(入職前1年間に就業経験のある者)の推移を見ると、2001年の35万4000人をピークに減少傾向が続き、2017年には13万6000人まで減少した(図表3)。
また、転職入職者のうち他産業から建設業に転じた人の比率を見ると、2012年の39.2%から急速に上昇し、2014年には59.0%となった。
ここからは、深刻な人手不足を背景に、建設業各社が他産業の未経験者にまで採用の幅を広げていることが見て取れる。
■転職入職率は低下傾向が続き、2017年には4.5%となる
転職入職率(常用労働者数に対する転職入職者の比率)の推移を見ると、2009年の9.5%をピークにアップダウンを繰り返しながら低下傾向で推移し、2017年には4.5%にまで低下している。とくに、2013年以降は4年連続で低下しており、厳しい人手不足を背景に転職入職者の確保に苦労していることがデータにも表れている。
■建設業では「縁故」経由で転職する比率が高い
転職経路別に転職者の比率を見ると、建設業では「縁故」の比率が43.4%と、全産業平均の23.4%を大幅に上回っており、縁故での転職が多いという結果になっている。一方、広告経路の比率は10.5%で全産業平均を大きく下回っており、広告メディアから応募して転職するケースは少ないことが示されている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.