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搭乗時の6割の作業効率しかない建機の遠隔操作に“5G”は何をもたらすか令和元年度土木研究所講演会(3/3 ページ)

土木研究所では2016年度から、災害発生時に建設機械を遠隔で操作するロボット技術の研究に取り組んでいる。ロボット技術は、現段階で利用可能なレベルに達し、災害復旧の現場で実際に適用はされているが、人が搭乗して操作するのに比べると劣る効率性や限られた情報だけを頼りにした操縦方法の不安定さなど、改善すべき課題は多い。

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5Gとともに自律制御の技術進歩も


つくば中央研究所・有田幸司氏

 土木研究所では、「5Gの具体的なユースケースの技術的効果を評価検証する。現場で現行の無線LANと比較して、どの程度迅速に利用環境の設営が可能かなど、導入メリットを調査していく」(有田氏)。

 5Gの現場実装と同時に必要と有田氏が指摘するのが、ロボットを自律制御する技術の向上。高速大容量通信で、AIや高速処理技術の利用が現実のものとなれば、これまで自律制御化されていなかった動作やシステムも自律制御化されるようになる。研究所では、自動化レベルの定義を提起して、現在では統一的なものが無い運用ルールも含めた自律制御の共通イメージについて、内外で情報共有していく方針を示している。

 講演のまとめで有田氏は、「災害発生時のロボット技術に適用可能な諸技術は、跛行(はこう)的にバラバラで進捗している。これからは遠隔操作と自律制御の両面から、互いに最良の組み合わせとなることを意識しつつ、市場性や運用性も考慮に入れた開発を継続していくことが不可欠だ」と展望を語った。


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