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構造物点検システム「Auto CIMA」、橋梁のひび割れ点検で本格的に運用開始ハイウェイテクノフェア2019(1/2 ページ)

NEXCO西日本グループは、2011年に橋梁(きょうりょう)などの構造物のひび割れなどを確認できるシステム「Auto CIMAを開発した。2015年から試験的な運用を開始し、2018年に国土交通省から橋梁での点検における使用の認可を得て、2019年からは本格的な展開に踏み切る。

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 NEXCO西日本グループは、「ハイウェイテクノフェア」(会期:2019年10月8〜9日、東京ビッグサイト 青海展示棟)で、構造物点検システム「Auto CIMA(Automatic Crack Inspection Management Assist system)」を展示し、来場者の関心を集めた。

シミなどをノイズとして除去する機能を搭載

 Auto CIMAの機器構成は、デジタルカメラで範囲を決め、オートメーションで撮影し、PCにダウンロードした専用ソフト「Crack Viewer2」で、ひび割れを自動抽出するシステム。取得できる解像度は0.2ミリ幅のひび割れを検出できるレベルだという。得られた写真は、Crack Viewer2で、1分程度で自動合成し、1枚の大きな映像としてまとめられ、現地で取りこぼしがないか確かめられる。橋梁(きょうりょう)の底面などのコンクリート平面を対象としている。


Auto CIMA

 アオリ補正機能で、カメラの角度が45度以上であれば、ひび割れなどの情報を得られる。標的となるコンクリート平面までの距離は、50メートルまでであれば、検証に支障の出ない画素数を確保する。50メートル以上の場合は、細かなクラックの取り込みは困難だが、状態記録としては使える。


Crack Viewer2

ひび割れをサイズごとに色分けして表示、0.2ミリが緑、0.3ミリが青、0.4ミリが黄色、0.5ミリがオレンジ、0.5ミリ以上がピンク

 Crack Viewer2は、ひび割れを幅ごとに色分けして表示が可能な上、手動編集機能を搭載しており、ソフトがはじき出した結果を技術者が編集することで、データの精度を高められる。

 NEXCO西日本グループの担当者は、「2011年に開発したシステムだが、アップデートを重ねており、ひび割れの検出率は現在80%を超えている。これまで、シミなどをクラックとして誤認知するケースもあったが、2018年に改良し、豆板やシミの除外が行える仕様となった。2019年からNEXCO西日本グループが管理する橋梁の一部で、維持管理で本格的に利用している」と説明した。


入力画像からクラックをラインマッチングし、豆版や汚れをノイズとして除去するAuto CIMA

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