300カ所以上におよぶ杭芯墨の確認を5〜6時間で完了するBIM測量、奥村組:墨出し・杭打ちBIM&クラウド連携セミナー(3/4 ページ)
奥村組は2015年にBIM推進グループを立ち上げ、今年で5年目を迎える。グループでは、3Dプリンタを用いて作成した模型の活用やステークホルダーと独自に連携方法を構築して、BIMモデルの精度を高めている。直近では、トプコン製トータルステーション「LN-100(杭ナビ)」とオートデスク製クラウドBIMアプリ「BIM 360 Layout」を併用して、BIMを運用する「BIM測量」にも注力し、実施工での成果をあげている。
図面を持たずに、杭芯確認作業が可能
続いて、三井氏が登壇し、トプコン製トータルステーション「LN-100(杭ナビ)」をオートデスク製iPadアプリ「BIM 360 Layout」で操作する杭芯などの位置確認作業を紹介した。奥村組では、この作業を「BIM測量」と呼称し、運用している。
BIM測量は、杭ナビとBIM 360 Layoutを用いて座標を確認する技術。最大の特徴は、3Dモデルや貼り付けたCAD図を確認しながら座標を選べるため、座標の選び間違いをなくせるとともに、余計な図面を携帯せずに済む。
「BIM測量で使用する測量モデルは、まず3D部分をRevitで作成し、オートデスク製のアドインソフトであるPoint Layoutで、座標点を入力します。完成した測量モデルは、オートデスク製クラウドサービスのBIM 360 GLUEにアップロードし、iPad用アプリのBIM 360 Layoutでダウンロードを行い、杭ナビの操作に使います。測量後、取得した実測座標は、iPadからBIM 360 GLUEに送り、PCで取り込み、CSV出力することもできます」(三井氏)。
BIM測量は、作業員が手に持つプリズムを杭ナビのレーザーで捕捉し、両機の距離や角度を測り、この計測値を利用して、BIM 360 Layout上の3Dモデルと現実の現場の状況を照合し、杭芯墨などの座標が正しく配置されているかを確認することを目的としている。iPadと杭ナビはWi-Fiで通信し連動させられる。
作業手順は、まず、杭ナビを設置し、BIM 360 LayoutをインストールしたiPadを用意する。次に、現場の基準墨と、BIM 360 Layout上の基準点の位置を2点以上合わせ、許容誤差を確認し、準備完了する。測量は、iPadから確認したい座標を選び、その場所へ行きプリズムを構えて、実測座標に名前を付けて保存するだけ。
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