HPが室内装飾やソフトサイネージのデジタルプリントに本格参入、HP Stitch S プリンタ:製品動向(1/2 ページ)
日本HPは、最新のデジタルプリントソリューションを搭載した昇華型プリンタのHP Stitch S シリーズを発表した。新機種の高生産性や色の再現性を武器に、海外も含めデジタル化が大幅に遅れているテキスタイル印刷市場で、室内装飾やソフトサイネージ(布の屋外広告)のデジタルプリントといった新たな市場創出を目指す。
日本HPは、テキスタイルプリント向け昇華型プリンタ「HP Stitch S プリンタ」シリーズ3機種を2019年8月29日に発売し、国内のテキスタイル市場に本格参入する。
HPインクジェットテクノロジーを集約した昇華プリンタ
HP Stitch S シリーズのラインアップは、エントリーモデルの1.6メートル幅対応「HP Stitch S300 プリンタ」、同幅ながら高速印刷に対応した「HP Stitch S500 プリンタ」、ボリュームユーザー向け3.2メートル幅のスーパーワイド「HP Stitch S1000 プリンタ」の3モデル。海外では2019年5月に先行販売されて以降、国内のユーザーでも待ち望む声が多く、これに応える形で日本発売を決めたという。
主な用途としては、幅広い種類のメディアとポリエステルファブリックにプリントできるため、内照式バックリットのサイネージをはじめ、のぼり旗、スポーツアパレル、ファッション関連品、さらに椅子、ベッドリネン、ソファの張地、カーテンといった室内装飾のプリント用途も見込まれる。
新機種は、これまで培ってきたHPサーマルインクジェット・テクノロジーとテキスタイル業界標準の色材を融合させたプリンタ。全モデル共通で、昇華型のテキスタイルプリンタでは初となるサーマルインクジェット方式用の昇華染料インクと分光測光器「I1」を内蔵している。
分光測光器は、自動的に色を読み取り、数年後でもマシン納入時と同じ≦1Δ(デルタ1以下)の色再現性を長期間にわたって可能にする。プリントヘッドは、ネイティブ解像度1200dpiで、鮮やかな赤の他、独自配合のLEDバックライトのサインなどで映える深みのある黒を実現する。また、ヘッド自体はユーザー自身が、指1本で交換することができ、これまでの様にエンジニアの到着を待つことなく、すぐにヘッドを換えて印刷に移れる。
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