建機自動化の現在地とその先に――【後編】:ゲーム機の様に建機作業ソフトを入れ替える拡張性:建設・測量生産性向上展2019(1/3 ページ)
キャタピラーと大成建設は、割岩や土砂の掘削・積み込みを自動化する技術開発を進めている。自動化の重要なコア技術と大成建設が位置付けるのが、機体の機構と制御プログラム。あらゆる建機作業を電子化して、家庭用ゲーム機の様にソフトを入れ替えれば、幅広い作業に対応できるという。
キャタピラージャパンと大成建設は、建設産業を対象にした最先端の製品・サービスが一望できる「第2回建設・測量生産性向上展2019」(会期2019年5月22〜24日、幕張メッセ)で、ショベルのフル電子制御化がもたらす自動化施工に関する前後半の2パートから成るセミナーを開催した。本稿では、後半のパートを受け持った大成建設による自動化建機の「自律割岩システム」と、土砂掘削・積み込み実証実験の報告を振り返る。
大成建設による自動化施工の実験状況
冒頭、大成建設の担当者は、取り組みの経緯について次のように語った。「当社は以前から建機を遠隔でコントロールするために、さまざまな検討を進めてきた。そうした願いを簡単にクリアする方法はないかと模索する中で、離れた場所から人が操作するより、マシンを自動化した方が好都合だという考え方に至った」。
この場合の“自動化”とは、マシンの移動と作業の開始/完了について、ある程度の判断信号を作業員がコントローラーで発信すれば、マシンがそれぞれの動作を自律的に行うというもの。「これまで、できるだけ人の介在をなくす方向で検討を重ねてきた。その結果、自動化のためにはセンシング、ヒューマンインタフェース、マシンコントロールの3要素が重要だと判明した」という。
センシングは、マシンの位置や動作、作業の状況などを物理量として計測可能にすること。ヒューマンインタフェースは、人が機械に命令を与え、物体に働きかけるまでの動きを直感的に操作できるようにすること。そして、担当者が「最も重要」と強調したのが、マシンコントロール、つまり機体の機構と制御プログラムだ。
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