エムティシー(MTC)と、川田テクノシステム(KTS)は2019年8月20日、3次元道路設計分野で業務提携を結んだことを明らかにした。
初弾で交差点モデルを自動生成するアドオンを開発
土木分野で生産性革命のエンジンとして期待されるi-Constructionを推進するためには、設計データの3次元化が必須とされるが、現状では2次元設計図をもとに3次元のCIMモデルを作成していることがほとんど。
そこで、土木系の3次元CAD「V-nasClair(ヴィーナスクレア)」を展開するKTSと、道路設計分野で高いシェアを持つMTCとが双方のコア技術を融合させ、3次元道路設計システムを共創するに至った。
3次元道路設計システムでは、設計段階でCIMモデルが自動生成されることで、施工時の3次元データ作成の省力化が図れるとしている。また、設計時に3次元モデルができていれば、設計から、施工、維持管理までの建設生産プロセス全体を通して、属性情報の基盤モデルとして1つのモデルを一気通貫で活用することも可能になる。
業務提携の第1弾でMTCは、3次元交差点設計システム「for Clair」を開発する。V-nasClairのアドオンとして、道路中心線の通過点を指示するだけで3Dモデルが作成される「V-nasClair ROAD Kit」上で動く。データ連携のみでは得られない操作性、合理性、効率性、機能性を実現する。将来的には、交差点だけでなく、高速のインターチェンジやジャンクション、山岳トンネルでも、CIMモデルを自動生成する機能を拡充していく。
両社は道路分野におけるBIM/CIM推進のため、今後も包括的に事業協力することで合意しているという。
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