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建設現場の“ムダ・ロス”解消には何を成すべきか?建設現場におけるBPR(業務改善)の必要性と実践ポイント(2)(1/2 ページ)

ここ数年、ICTの著しい発展によって建設業界でも、その有効な活用方法が設計・施工・維持管理の各工程で検討され始めている。新たなソリューションを導入するには、さまざまな既存の壁が立ちはだかり、ときには既存の業務形態を変革することも迫られる。ビジネスルールを抜本的に設計し直す「BPR(Business Process Re-engineering)」。建設業界で導入することによって何が変わり、そのためには何をすべきか、プロレド・パートナーズが数々の建設会社でBPRをコンサルしてきた実績をもとに、本連載で解説していく。

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実践ポイント1 「価値基準で作業を分類してムダ・ロスを見える化する」

 建設現場での作業は、価値基準から3つに大別できる。1.価値作業(部材組付・機器設置など建造物の完成に直接寄与する作業)、2.低価値作業(価値作業を行う際に付随的に発生する歩行・運搬・仮置き・保管など)、3.非価値作業(手直し、手待ちなど)である。

 このうち1と2はこのコラムで指摘する「ムダ・ロス」にあたるが、建設現場におけるムダ・ロスは、当社の調べでは作業全体の約50〜70%を占めている。

 改善を進める際に重要なのは、「ムダ・ロスは必ず存在する」との姿勢で臨むことである。現在自分たちが行っている作業の全てを価値作業であると認識している限り、改善は進まない。まずは今の仕事の仕方に疑問を持つことが出発点となる。ムダ・ロスさえ認識できれば、後は人の知恵でさまざまな対策を講じることは可能で、今は課題解決のソリューションも充実しているため、企業のTPOにあった選択が可能となっている(図3)(図4)。


図3:建設現場のムダ・ロスは作業全体の50〜70% 出典:Prored Partners

図4:現場の個別事情に合わせたソリューション選択が可能に! 出典:Prored Partners

実践ポイント2 「人と機械の仕事を分けて考える(オートメーションの留意点)」

 ICTやロボットの置き換え(オートメーション)に際して、「置き換えた方が効率的に作業できたり、安全であったり、品質が向上する作業を対象とする」ことの重要性は既に述べた。

 言い換えると、オートメーションの効果を最大限発揮させるには、「人と機械の仕事をわけて考える」ことが重要となる。当社では、この考え方をオートメーションの検討手順に組み込んでいるが、この検討の重要性を知らずにスキップしている企業は実に多い。

 このポイントが押さえられていない場合も、実に多くのムダ・ロスが発生してしまう。機械の仕事が終わるのを人が待っていたり、機械が正常に動くかどうかを人が隣で見守っていたりという状況が常態化する。いわゆる人が手離れできないという状態だ。

 オートメーションという言葉からは、どうしても全てを機械に任せるというイメージを抱いてしまう。しかし、機械への部材設置やデータの設定は人が行い、起動ボタンも人が押しているし、作業完了後の部材を機械から取り出すのも人である。つまり、人と機械には何かしらの接点が必ず発生するため、機械が動いている間に人は何をすべきか、人を機械から手離れさせるにはどうすればよいかなど「人と機械の仕事を分けて考える」必要がある(図5)。


図5:人と機械の仕事を分けて作業を考えているか? 出典:Prored Partners

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