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大林組、設置が手軽な多機能分電盤「ノアキューブ」を開発現場管理

設置するだけで通信環境を手軽に構築でき、安全や省エネにも貢献する多機能分電盤を開発したと大林組が発表した。建設現場の生産性や安全性を促進する。

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 大林組は2019年7月5日、設置するだけで通信環境を手軽に構築でき、安全や省エネにも貢献する多機能分電盤「ノアキューブ」の開発、導入を発表した。建設現場の生産性や安全性を促進する。

 建設現場では、ICTや人やモノの状態が見える化できるIoTを活用する必要性が高まっているが、高層部や地下空間など作業場所によっては通信電波が届かない範囲もあり、IoT機器を利用するためには機器ごとに適した規格の通信環境を個別に構築する必要があった。

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ノアキューブ外形 出典:大林組

 ノアキューブは電力線を通信線としても利用する技術である電力線通信(PLC)を取り入れている。そのためノアキューブを設置し電力線を配線するだけで、追加の作業を行うことなくIoT機器を利用するための通信環境を構築できる。有線LAN、Wi-Fi、Bluetoothなど各種無線通信規格に対応しているだけでなく、アナログ入力も可能なため温度計や圧力計からの信号をデジタル値に変換し活用できる。

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内部構造 出典:大林組

 また付属のネットワークカメラは現場内の遠隔監視ができるだけでなく、火災の原因となる火花の自動検知機能を持つため、火気作業に起因する災害発生リスクを低減する。万が一、建設現場で事故や災害が発生した場合、管理者はノアキューブを介して現場の映像を確認し、通報者へ即座に必要な対応を音声で伝えることが可能だ。

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火花検知状況 出典:大林組

 さらに映像は常に録画されているため原因究明や再発防止にも役立つという。消費電力量を一元的に監視し、利用状況に応じて遠隔で電源のオンオフ操作が可能なため、無駄な消費電力を減らして省エネにも貢献する。加えて、ディスプレイを接続することでデジタルサイネージの機能を持つ他、要望に応じてさまざまなオプション機能を付加できるといった拡張性がある。

 大林組は、既に全国の建設現場でノアキューブの導入を進めており、標準の分電盤として普及展開していく予定でだ。今後はノアキューブのIoT機能を拡張し、建設現場の生産性や安全性の向上、省エネに貢献していく。

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