長谷工は5年で約3割の従業員増、労働生産性は戸田建設がトップ:産業動向(2/3 ページ)
ヒューマンタッチ総研は、建設関連6業種別の主要上場企業10社の従業員数および1人当たり売上高の推移をまとめた。従業員数は6業種全てで大幅に増加した他、管工事業、住宅建設業、電気設備工事業、ゼネコンの4業種で1人当たりの売上高が増えたと判明した。
土木の従業員数は主要10社で増加も、1人当たり売上高は半分超が減少
土木工事業主要10社も、全ての企業で従業員数が増えている(図表5)。最も増加率が高いのは道路舗装業界トップのNIPPOで、2015年3月期の3795人から2019年3月期には6087人へと60.4%増加。次いで、ピーエス三菱が13.7%増、世紀東急工業が9.9%増。
従業員1人当たり売上高は、10社中6社で減少(図表6)。減少率が最大だったのは東亜道路工業の15.2%減。以下、NIPPOの15.0%減、ピーエス三菱の8.5%減、日本道路の8.3%減、前田道路の8.2%減などとなり、道路舗装大手企業を中心に労働生産性が低下している。
電気設備は従業員数9社で増加、1人当たり売上高は8社で増加
電気設備工事業は、主要10社のうち、9社で従業員数が増加傾向にある(図表7)。増加率が際立って高いのは、同業他社を経営統合したことで大幅な増加となったコムシスホールディングス(68.2%増)と協和エクシオ(64.6%増)の2社。次いで、日本電設工業が16.1%増、きんでんが13.6%増、九電工が10.9%増と、それぞれ2桁台の増加率になっている。
従業員1人当たり売上高は、10社中8社で増加している(図表8)。最も増加率が高いのは関電工の17.6%増。その次が、九電工の16.6%増、住友電設の9.4%増の順。経営統合の影響で従業員数が大幅に増加したコムシスホールディングスは1.4%増、協和エクシオは1.2%減となり、伸び悩んでいることが分かった。
管工事は従業員数と1人当たり売上高いずれも10社中9社で増加
管工事業主要10社のうち、9社で従業員数が増加している(図表9)。最も増加率が高いのは高砂熱学工業で、2015年3月期の4471人から2019年3月期には5912人へと、32.2%増加。新日本空調は17.5%増、ヤマトは15.6%増だった。
従業員1人当たり売上高も、10社中9社で増加している(図表10)。最も増加率が高いのは大気社の23.9%増だった。その後、ダイダンが22.4%増、朝日工業社が21.3%増と、2割超の大幅な増加率となった。
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