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調査リポート

長谷工は5年で約3割の従業員増、労働生産性は戸田建設がトップ産業動向(1/3 ページ)

ヒューマンタッチ総研は、建設関連6業種別の主要上場企業10社の従業員数および1人当たり売上高の推移をまとめた。従業員数は6業種全てで大幅に増加した他、管工事業、住宅建設業、電気設備工事業、ゼネコンの4業種で1人当たりの売上高が増えたと判明した。

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 ヒューマンタッチが運営するヒューマンタッチ総研は、総合工事業(ゼネコン)、土木工事業、電気設備工事業、管工事業、プラントエンジニアリング業、住宅建設業の6業種に分け、2015年3月期から2019年3月期までの有価証券報告書から、各業種主要企業10社(計60社)の従業員数と、労働生産性(従業員1人当たり売上高)の動向をまとめた。

6業種全てで2015年に比べ従業員数は増加

 各社の2019年3月期の有価証券報告書を見ると、建設投資の拡大を背景に、6業種全てで2015年に比べて従業員数が増加している。増加率が最も高いのは電気設備業の24.0%で、次いで土木工事業の18.4%、住宅建設業の16.7%、管工事業の11.3%、ゼネコンの10.7%の順となり、プラントエンジニアリング業を除く5業種で2桁の伸び率となった(図表1)。6業種の各主要10社の従業員数を合計すると、2015年3月期の31万8222人から19年3月期には36万5972人へと増加しており、4年間で4万7750人の新たな雇用が生まれたことになる。


【図表1 各業種主要10社合計の従業員数の推移】 出典:ヒューマンタッチ総研

 一方、労働生産性を示す主要指標である従業員1人当たり売上高の推移を見ると、ゼネコン、電気設備工事業、管工事業、住宅建設業の4業種は、2015年に比べて増加している(図表2)。

 最も増加率が高いのは、管工事業で、2015年3月期の5780万円から2019年3月期には6490万円へと伸長し、2015年比で12.3%増加している。次いで、住宅建設業が8.5%増、電気設備工事業が4.0%増、ゼネコンが2.6%増と続いている。逆に土木工事業は5.9%減、プラントエンジニアリング業は8.7%減とマイナスが続いており、労働生産性の低下が危惧されている。


【図表2 各業種主要10社合計の1 人当たり売上高の推移】 出典:ヒューマンタッチ総研

ゼネコンは10社全ての企業で従業員増

 業種ごとにみると、ゼネコンは主要10社全ての企業で従業員数が増加している(図表3)。最も増加率が高いのは長谷工コーポレーションで、2015年3月期の5379人から2019年3月期には6974人へと29.7%増加した。次いで、鹿島建設が18.9%増、五洋建設が12.5%増と2桁越えの増加率だった。


【図表3 ゼネコン主要10社の従業員数推移】 出典:ヒューマンタッチ総研

 従業員1人当たり売上高では、10社中8社が増加している(図表4)。最も増加率が高いのは戸田建設の21.0%増。次いで、前田建設工業が12.6%増、五洋建設が8.3%増、清水建設が6.5%増などと続く。従業員数の増加率が最も高い長谷工コーポレーションは、15.1%減だった。


【図表4 ゼネコン主要10社の1人当たり売上高の推移】 出典:ヒューマンタッチ総研

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