ダイダンがクラウド型ビル制御サービス開始、省エネと維持管理の負担軽減:BAS
ダイダンはビルの空調制御をIoTにより完全クラウド化するシステム「REMOVIS(リモビス)」を提供開始した。ビルの電気・空調設備の省エネと維持管理の負担低減を実現する。
ダイダンはビルの空調制御をIoT(モノのインターネット)により完全クラウド化するシステム「REMOVIS(リモビス)」を2019年7月10日から提供開始した。ビルの電気・空調設備の省エネと維持管理の負担低減を実現する。
リモビスはクラウド上に自動制御システムを構築し、遠隔で設備の運用データの分析や制御内容の更新・修正ができるサービス。機械室などにあった自動制御装置(PLC)やこれを収める制御盤が不要で、制御機器をIoT技術で無線化した。
従来のビルの自動制御システムがコントロールする空調や照明などの設備では、機器の経年劣化などにより、エネルギー効率が低下している場合がある。部屋の間仕切りや運用時間などに変更があった場合、対象機器や制御内容の修正が必要となる。これらの問題に対応するためには、データや機器の運用データの分析とともに、制御装置の更新や制御ルールの修正が必要となり、エンジニアが現地へ赴かなければならなかった。
リモビスは制御機能をクラウド上に構築しているため、経年劣化のために10〜15年ごとに行われていた中央監視盤の更新工事も不要だ。加えて、制御用の機器やセンサー間の通信に無線を採用していることから、オフィススペースの用途変更や間仕切り変更に柔軟に対応できるとしている。
ダイダンの試算によると、リモビス導入により延べ床面積2万平方メートルのビルでは、建物のライフサイクル(約60年)を通じて、建物設備の維持管理に関するコストを約10%低減できるという。価格は2万平方メートルのビルで監視点数が1500点を想定した場合、システム利用料は月額20万円程度で、初年度の販売は5件を目指す。同社では設備管理作業をAIが分析・判断して自動で代行するサービスの開発も進めている。
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