検索
ニュース

両面テープだけで内装パネルの施工が実現、3Mが建築内装分野に本格参入人手不足と工期の遅れを解決!(2/3 ページ)

スリーエム ジャパンは、建築内装仕上げに特化した両面テープ「3M VHB テープ Y-4800-12建築パネル仕上げ用」を発売する。日本で初めて壁ボード用の接着剤と同等のJIS規格をクリアした両面テープで、施工時間の短縮や作業者の負担を軽減し、内装仕上げ市場が抱える人手不足や工期遅延といった課題解決を目指す。

Share
Tweet
LINE
Hatena

人手不足と工期の遅れを両面テープで解決


スリーエム ジャパン・桑名勇輔氏

 3M VHB テープ Y-4800-12建築パネル仕上げ用を使用するメリットについて、スリーエム ジャパン テープ・接着剤製品事業部 マーケティング部・桑名勇輔氏は、「施工時間の短縮」「施工管理の簡易化」「作業者の負担軽減」の3つを挙げた。

 施工時間が早まることで、工期が短縮されるだけではなく、材料費や人件費でトータル約15.6%のコスト低減も見込める。施工管理面では、接着剤の様に塗りムラが無くなり、テープの長さだけで管理することができる。作業者にとっては、フロア数が多い現場で、接着剤とテープの副資材を頻繁に運搬しなければならない重労働が、軽量のテープを持ち運ぶだけで済むようになる。

 一例として、500×1000ミリのパネル66枚を施工するケースでは、接着剤15本(8.6キロ)とテープ264メートル(1.8キロ)の10キロ以上を持ち運ぶ必要があるが、建築パネル仕上げ用テープはテープ重量の2.7キロだけで完結し、重さが74%も削減される計算になる。


スリーエム ジャパン・金子健太郎氏

 テープ・接着剤製品事業部 マーケティング部 部長の金子健太郎氏は、新製品開発と建築内装分野への本格参入の意図について、「日本の建築市場では、深刻な労働力不足と工期の遅れが懸念材料となっている。人手不足は1990年代後半から、特に技能工の減少が顕著」と指摘。

 「人が足りない中で、再開発や五輪関連工事が増加し、悪天候で進まない基礎工事、建設資材の不足による躯体工事の遅れにより、最後の内装仕上げにしわ寄せが来ている。そのため仕上げ工程の工期短縮が求められ、ここの生産性をどう上げるかが重要となる」と説明した。

 「技能工も高齢化が進み、これから定年を迎えると一気に担い手がいなくなってしまう。そのため、今後は従来の分業制を変え、1人の職人がいくつもの施工を担う“多能工化”が予想される。3Mではグローバルで3万棟の実績がある接合材を強みに、施工時間の短縮や施工管理の簡易化、作業者の負担軽減で、こうした課題の解決を図っていく」と、これまでにない形での市場参入の意義を示した。


国内の建築業界が抱える課題

施工体験会ではミニチュアのパネルに接着剤を塗布して両面テープとの違いを体感。接着剤の塗布には思った以上に力が必要で、均一に塗るにはコツがいる

両面テープは貼るだけのため、施工品質にムラが出ない

接着剤と両面テープの比較

 新製品発表会では、埼玉県に本社を置く、大手町パークビルディングなどの内装仕上げを手掛けたセラーズと、フリーエディターの松浦隆幸氏をファシリテーターに迎えたトークセッションも行われた。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る