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3次元道路データを活用した“AR技術”で視界不良時の除雪を可能に、ACTECが技術を公募技術公募

先端建設技術センターは、「ライティング技術」や「AR技術」を利用した除雪作業を効率化する技術公募を2019年1月31日まで行っている。ライティングは路面に車両の挙動情報や車間距離などを投影して安全を確保し、ARは道路の3次元データを使って、吹雪などの視界不良時でも除雪作業を可能にする。

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 先端建設技術センター(以下、ACTEC)は、「ライティング技術、AR技術などを用いた除雪作業の効率化に寄与する技術」の要求性能に対する意見を踏まえ、性能評価項目、試験方法を見直した。これを基に、新技術活用システムの活用式「テーマ設定型(技術公募)」として、2019年1月31日まで、除雪作業に活用可能なライティング技術とAR技術の募集を開始した。

AR技術で視界不良時の道路区画線や道路附属物を可視化

 国内の積雪寒冷地域では、安全で円滑な冬期道路交通の確保を図るため、暴風雪などによる視界不良時でも除雪作業を行わなければならない。そこで国土交通省では、周辺車両や誘導員などへの注意喚起を可能にする“ライティング技術”や視界不良時の道路区画線または道路附属物、除雪機械の離れなどを可視化する“AR技術”によって、除雪作業の効率化を目指している。

 しかし発注者サイドとしては、用途に応じた最適な技術を採用するにあたって、さまざまな技術が有する特徴・性能を客観的かつ定量的に把握して比較検討する必要があり、今回ライティング・AR技術を広く募ることとなった。技術公募の事業者となっているACTECは、2018年6月に第三者機関として選定されている。


除雪作業のイメージ

 募集対象の一つライティング技術は、除雪車両から光を照射して、路面に除雪車両の挙動情報や車間距離などを表示し、周辺車両や誘導員へ注意喚起することで、除雪作業の効率化と安全性向上を図る技術。性能評価では、基本性能で電源・定格寿命・使用環境温度・防塵(ぼうじん)・防水・耐振動の6項目が設定され、視認性は描画性能・対向車・後続車両・歩行者の各視認性の4項目、経済性は製品費用と設置費用をそれぞれ評価することになる。

 AR技術は、除雪作業での目視による状況確認を補う目的で、道路の3次元データとAR技術をマッチングさせ、吹雪など視界不良時の除雪作業をガイダンスするシステム。性能評価では、基本性能で電源・高精度測位・耐久性・表示方法の4項目、表示性能で表示内容・形状などの再現性・表示精度・表示速度・視認性の5項目、導入・運用コストなどの経済性では製品費用・データ作成費から、それぞれ技術の有効性を判断する。


道路の3次元データを作成する「厚田除雪ステーション」 出典:国土交通省

 公募後に選定された技術は、国土交通省関係者の立ち会いの下、現場実証を行う。実施期間は、2019年1月下旬から2月中旬ごろで、実施場所は北海道開発局 札幌道路事務所管内のうち、ライティング技術は「厚田除雪ステーション構内(北海道石狩市厚田区望来)」、AR技術は「一般国道231号」で実施する予定。

 技術公募に先立って行われた性能評価項目と試験方法に対するパブリックコメントでは、ライティング機器の使用環境温度を「-30℃以下」とすることやAR技術で除雪作業時の移動速度を「最高40km/hに対応可能なこと」、使用環境温度を「車両外側-30℃以下」「車両内側-10℃以下」とすることなどが、寄せられた意見を反映して修正された。

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