大和ハウス、建物の天井施工作業を軽減できるアシスト機器を開発:製品動向
大和ハウス工業は、建設現場の働き方改革として、建物の天井施工作業を軽減できるアシスト機器の開発を発表。高負荷作業を軽減でき、床から作業ができるため墜転落のリスク軽減にも役立つ。
大和ハウス工業は、建設現場の働き方改革として、建物の天井施工作業を軽減できるアシスト機器の開発を発表した。2019年7月1日から施工協力業者を対象に先行販売し、同年10月1日から一般販売を開始する。
「天井施工アシスト機器」は、建物の天井施工作業時に、天井パネルや石膏(せっこう)ボードを天井まで持ち上げ、固定する「(新型)天井ボードリフター」と、床からでも容易にビスが打てる「天井ビス打ち機」を組み合わせることで、高負荷作業を軽減できる機器だ。脚立が不要で床から作業ができるため墜転落のリスク軽減にも役立つ。一般的に天井施工作業時には、職方1〜2人が約16キログラムの天井パネルや、約18キログラムの石膏ボードを持ち上げた状態で天井にビスを打つが、当機器を導入することで職方1人での軽作業を実現した。また作業品質においても熟練工レベルの品質を一定に確保できる。
大和ハウスグループでは、建設現場の働き方改革の一環として、技術者不足対策や労働環境改善のため新技術の開発に努めている。社団法人日本建設業連合会によると、2025年には建設技能労働者が、高齢化の進行や若年入職者の減少により、約128万人不足するといわれている。さらに「平成30年低層住宅の労働災害発生状況報告書」の「原因・型別労働発生状況(墜転落の内訳)」によると、脚立からの墜転落は最も発生割合が多い。そこで大和ハウス工業は、建設現場の高負荷作業を軽減させるために、マックスとJPFの協力のもと、脚立を使用しなくても天井を施工できる「天井施工アシスト機器」を開発し、今回の発売に至った。
大和ハウス工業では、今後深刻化する人手不足の解消に向けて、高負荷作業を軽減することにより、女性や高齢者、未経験者の作業者の入職を促すとともに労働災害撲滅に努めていくという。
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