ニュース
2018年度の上場建設会社受注・業績動向、都市部の再開発案件が伸長に貢献:業界動向(2/2 ページ)
帝国データバンクは、主要上場建設会社58社の2018年度の受注・業績動向を公表した。2018年度は、官公庁工事の注文が減少したが、首都圏を中心とした再開発案件といった民間需要が拡大し、多くのゼネコンが好調な業績となった。
総利益率の平均は減少も、引き続き高水準
2018年度の主要上場建設会社58社の連結売上高合計は、2017年度比5.5%増の17兆4381億200万円となった。連結売上高の増減率で、トップは西松建設で、同比22.8%増。次に、大末建設の同22.7%増が続いた。
増収となった企業は39社に対し、減収は19社にとどまり、業績面では大半の企業が好決算となった。2019年度は、スーパーゼネコンを中心に増収予想が多く、堅調に推移すると見込まれている。
連結売上の総利益率の平均は、2018年度は12.3%となり、2017年度比で0.3ポイント低下した。アベノミクスが始まった2012年度以降は、継続的に上昇していた利幅が、6年ぶりに低下に転じた。だが、リーマン・ショック後の利益率が6%だったことを踏まえれば、引き続き利幅は高水準を維持しているという。
売り上げ総利益率が上昇した企業が28社に対し、低下した企業は30社と上回った。背景には、人件費や資材価格の高騰がある他、これまで選別受注を進めていた中堅以下のゼネコンが、五輪後を懸念し注文獲得へ動きを活発化し、競争が激化していることもある。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 2018年度の建設市場動向、人材不足や資材高騰で減益
ヒューマンタッチ総研は、建設業4業種の2017年度上場企業決算から分析した建設市場の動向を公表した。2018年度は業績好調も人手不足や建設資材の高騰で減益になる企業が多いと予測した。 - 長谷工総合研究所が2018−2019分譲マンション動向をレポート、消費税率10%のマイナス影響は限定的
長谷工グループの長谷工総合研究所は、首都圏・近畿圏の分譲マンション市場動向をまとめた「2018年市場の総括と2019年の見通し」を公表した。2018年の首都圏のマンション新規供給量は2年連続で前年を上回り、近畿圏でも2万戸を超える供給量だった。 - 国交省の予算概要から見る市場展望、2019年は「防災・減災」で前年度比15%の大幅増
ヒューマンタッチ総研は2019年1月31日、独自レポート「2019年度予算案から見る建設市場の動向」を公表した。