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建機自動化の現在地とその先に――【前編】:CATの自在な拡張性を持つ次世代スマートショベル建設・測量生産性向上展2019(2/5 ページ)

キャタピラーと大成建設は、割岩や土砂の掘削・積み込みを自動化する技術開発を進めている。先立つことキャタピラーでは、Next Generation Hexと位置付ける次世代IoTショベルを2017年に発売。同機種の市場投入を機に、これまでの開発方針を転換させて、断続的な機体のフルモデルチェンジから脱し、ガイダンスやアシスト機能などを年次アップデートさせていく、デジタルプラットフォームを構築した。

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全ての操作系統をデジタル制御化


NGH特徴概要

 NGHは、デジタルプラットフォームの実現に向け、機体のフル電子制御化を行った。電子制御コントロールバルブを搭載し、全ての操作系統をデジタルで制御する。機体の姿勢(IMU)センサーを各部位に取り付け、車両全体の稼働/操作情報を統合させ、効率的なネットワーク化と拡張性を付与し、マシンコントロールも標準で装備している。


機体のフル電子制御化

屋外展示場でのICT施工の実演。片手で建機をコントロールしている

従来機と次世代機の違い

 従来の油圧パイロット方式と、新たなフル電子制御化の大きな違いは、油圧系の取り回しにあるという。「従来方式は、油圧ポンプ/エンジンから伸びる油圧系が、油圧コントロールバルブと操作系統へ回るパイロット油圧との2系統が必要だった。コンパクトで優れた機構ではあったが、キャビン周りは油圧配管が集まり大型化した。長時間の運転では、配管が熱を帯びるため作業環境にも問題が生じた。こうした機体でマシンコントロールを実現するためには、各部位に数多くのセンサーを取り付け、圧力センサーと統合する必要があるなど複雑化。コンロールモニターも後付けで必要になるなど機器の数も増えた」(キャタピラージャパン)。

 フル電子制御化することで、油圧ポンプ/エンジンから伸びる油圧系は、電子制御コントロールバルブへと一本化。オペレーターの操作は、電子制御のコントールバルブで油圧系に変換する。パイロット油圧が不要となり、油圧ポンプ/エンジンからの作動油圧は電子制御コントールバルブまで伸びるのみのため、キャビン周りの油圧配管などの系統は簡素化された。マシンコントールとも高い親和性がある他、全体的な合理化が成功し、燃費性能は従来比で25%の向上、作業効率は45%アップになった。

 NGHは、「Catグレード2Dアシスト」「Catペイロードメジャメント」「E-フェンス」の3つのアプリケーションを標準装備している。機体のフル電子制御化に伴い、これらのアプリを一括で提供するプラットフォームが実現。アプリはいずれも安全・安心と生産性向上に寄与する次世代油圧ショベルのスタンダードな機能となっている。


Catグレード2Dアシスト

Catペイロードメジャメント

E-フェンス

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