国勢調査データから見る“地域別”の建設技術者数の推移:建設業の人材動向レポート(10)(2/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、国勢調査をベースに、“地域別”の建設技術者の実態をリサーチした。
エリアごとで高齢化の進み具合に違いが
■55歳以上の割合が最も高いのは四国エリア、最も低いのは東海エリア
エリア別に55歳以上の建築技術者と土木・測量技術者の割合を見ると図表3となる。
55歳以上の建築技術者の割合が最も高いのは、四国エリアの48.3%で、次いで九州・沖縄エリアの43.2%、中国エリアの43.0%となる。一方、割合が最も低いのは東海エリアの35.3%で、次いで南関東エリアの36.5%、近畿エリアの37.7%となった。
最も割合が高い四国エリアと最も割合が低い東海エリアの差は13ポイントに上り、エリアごとに高齢化の進み具合はかなり違いがあることが分かる。
一方、55歳以上の土木・測量技術者の割合が最も高いのは、四国エリアの34.6%で、次いで九州・沖縄エリアの34.0%、中国エリアの33.7%となる。一方、最も割合が低かったのは東海エリアの28.9%で、次いで北関東エリアの29.2%、近畿エリアの30.3%となった。
最も割合が高い四国と最も割合が低い東海の差は5.7ポイントで、建築技術者ほどではないが、エリア間の差異がみられた。
■まとめ
エリア別に建築技術者、土木・測量技術者の実態を見ると、東京都を含む南関東エリアに建築技術者、土木・測量技術者ともに集中していること、東日本大震災からの復旧・復興に向けた工事への対応のために東北エリアで建築技術者、土木・測量技術者ともに大幅に増加していることが分かった。
また、55歳以上の割合については、建築技術者、土木・測量技術者ともに、最も高いのが四国エリア、最も低いのが東海エリアとなっており、エリア間の差異がみられる。
このようなエリアにおける違いを的確に把握したうえで、建築技術者、土木・測量技術者の採用・育成に取り組んでいくことが重要だと考えられる。
著者Profile
ヒューマンタッチ総研(所長:高本和幸)
ヒューマンタッチ総研は、ヒューマンホールディングスの事業子会社で、人材紹介事業を行うヒューマンタッチが運営する建設業界に特化した人材動向/市場動向/未来予測などの調査・分析を行うシンクタンク。独自調査レポートやマンスリーレポート、建設ICTの最新ソリューションを紹介するセミナーなど、建設業界に関わるさまざまな情報発信を行っている。
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