国勢調査データから見る「建設技術者数」の推移:建設業の人材動向レポート(9)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。今回は、国勢調査をベースに建設技術者の実態をリサーチした。
日本における建設技術者数の実態を把握するために利用できる、詳細で信頼性が高い統計調査に国勢調査がある。国勢調査とは日本に住んでいる全ての人と世帯を対象とする国の最も重要な統計調査であり、5年ごとに実施されている。
今回は、国勢調査のデータを使って、建設技術者の実態について詳細に把握したいと思う。
■建築技術者は38万7284人から23万5190人に減少
国勢調査において、建設技術者に該当する職業分類には「建築技術者」と「土木・測量技術者」がある。
建築技術者は主に住宅などの建築物の建設・改修・維持をおこなう技術者であり、土木・測量技術者とは、道路・橋梁(きょうりょう)・河川などの土木施設の建設・改良・維持などをおこなう技術者のことである。
建築技術者と土木・測量技術者について、直近4回の国勢調査の結果をまとめると図表1となる。
2000年における建築技術者は38万7284人、土木・測量技術者は51万196人であったが、建設投資の減少を背景に、2010年には建築技術者は21万5650人(2000年比44.3%減)、土木・測量技術者は24万2830人(同52.4%減)にまで大幅に減少した。
その後、2015年に向けて建設投資は増加に転じたが、建築技術者は23万5190人(対2010年比9.1%増)と微増にとどまり、土木・測量技術者は24万10人(同1.2%減)と微減した。
■建設業で建築技術者、土木・測量技術者ともに大幅減、土木の減少率は低い
産業別に建築技術者と土木・測量技術者の推移を見ると図表2となる。
建設業で就業する建築技術者は2000年の23万547人から2015年には10万4750人(2000年比54.6%減)、土木・測量技術者は2000年の31万1893人から2015年には10万6490人(同64.8%減)となり、どちらも大幅に減少している。
一方、建設コンサルタントなどが属する土木建築サービス業に従事する建築技術者は2000年の12万7121人から2015年には10万6490人(同16.2%減)、土木・測量技術者は2000年の11万7660人から2015年には8万3590人(同29.0%減)となっており、建設業ほど大幅な減少にはなっていない。
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