建設現場のDX化を縦横奥でカテゴリー分け、コマツのスマートコンストラクション:建設・測量生産性向上展2019(2/2 ページ)
コマツは、労働者不足が深刻な建設業の生産性向上を実現するスマートコンストラクションの展開している。2019年は、スマートコンストラクションにおいて、建設現場のデジタルトランスフォーメーション化を促進するテクノジーの開発に努める。
今後は建設現場のDX化に注力
今後、コマツは、建設現場における全工程のデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)化を目指していく。
四谷氏は、建設生産現場のDX化について「当社では、現場におけるDX化を縦、横、奥のカテゴリーで分けている。縦とは、ドローンによる測量や3Dマシンガイドを用いたICT建機における施工などの機器のデジタル化を指す。縦は、DX化がかなり進ちょくしたと思う。横は、建設作業における各工程の情報化された結果を用いて、全作業をデータベースでつなげ、正確なスケジュール管理などを行うこと。横を完璧に実現できれば、工期の短縮や無駄なプロセスの削減ができる。奥とは、横を形にした後、その情報を他の複数の現場に活用し、全現場の最適化を図ること。当社では今後、現場の生産性向上に、一番影響を与えると考えている横のソリューションの開発に尽力していく」と述べた。
また、コマツは、建設現場における全プロセスのDX化を具現化するために、建設機械の自動化と自律化、施工オペレーションの最適化を体現する技術の開発や導入を推進していく。
四谷氏は、建設機械の自動化と自律化、施工オペレーションの最適化について「この2軸は、建設現場のDX化を実現するために、必要なステップをいずれも5段階で分けている。建設機械の自動化と自律化は、レベル1が限定条件での運転支援、レベル2が範囲を拡大した運転支援、レベル3が単独自動周囲認識、レベル4が協調自動通信、レベル5がAIを用いた自動判断による走行となる。施工オペレーションの最適化は、レベル1が設計データの3D化、レベル2が施工実績の3D化、レベル3が施工計画の3D化、レベル4が施工計画の自動化、レベル5が施工の最適化という流れだ。当社は、両軸とも現在レベル2の段階にある。今後、投資も積極的に行い、両軸の技術拡張に努めていく」と語った。
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