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全ての鍵をクラウドへ、米・民泊最大手“Airbnb”で運用されているIoT入退室管理「RemoteLOCK」ファシリティマネジメント フォーラム2019(2/3 ページ)

構造計画研究所が国内で販売・サービスを手掛ける「RemoteLOCK(リモートロック)」。Wi-Fiを経由させ、ネットワーク上で鍵の開閉や入退室の管理ができるいわゆるスマートロックだ。最近では、戸建て住宅や賃貸マンションだけに限らず、宿泊施設や大学でも活用が広がっているという。

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日米で合計3万個の鍵がリモート化


構造計画研究所・池田修一氏

 通常、民泊の運営では、宿泊施設にフロントが無かったり、常駐スタッフがいなかったりするため、宿泊客との鍵の受け渡しが面倒になる。「担当者が時間を調整して、直接会っての手渡しや物理的な鍵を宿所のポストに入れてさらに錠を掛けるなどが行われているが、その運用方法ではセキュリティ面で不安が残る」(池田氏)。

 その点、Airbnbは、RemoteLOCKを備える施設であれば、宿泊予約をすると、宿泊客にメールやSNSで暗証番号が送られる。宿泊客は、鍵を受け取るため、どこかに立ち寄る必要もなく、直接宿泊施設に行き、扉についたテンキーで暗証番号を入力すればそのまま泊まることができる。RemoteLockによって、米国と日本合わせ、およそ3万個のドア鍵がクラウド上でリモート化されている。

 スマートロック自体は、日本でも他の製品・サービスが展開されているが、RemoteLOCKは運用形態において差別化が図られている。

 他のスマートロックは、スマートフォンにアプリをインストールし、ドアの錠前とBluetoothで接続するという手法が採られている。例えば民泊の場合、不特定多数が利用するため、スマートフォンにいちいちアプリをインストールして登録するというステップが非常に面倒となる。

 「RemoteLOCKであれば、暗証番号をLINEなどのSNSで利用者に送付するだけなので、ハンドリングしやすく、施設管理する上で有効だ。管理システムはクラウド上で、暗証番号をその都度、追加や削除することができ、セキュリティは万全。保存できる上限は1000人分で、ゲストごとに違う番号を割り振るため、個人認証を兼ねて1対1で紐(ひも)付けられる。施錠時間を設定するスケジューリングや入退室履歴の把握としても使える」(池田氏)。

 また、PC1台さえあれば、複数物件の入退室管理がどこからでもできることもポイント。貸し会議室のようなビジネスでも、立ち会う必要がないので、人件費や管理費といったコスト削減につながる。物理鍵による管理は、合い鍵コピーなどのリスクがある以外にも、履歴管理も手書きのため、記載漏れからトラブルが起こる危険性をはらんでいる。


「RemoteLOCK」のブラウザベースの管理画面

 その他の利用シーンとしては、簡易宿所や小規模ホテルなどでも導入が進んでいる。とくに小規模ホテルは、ここ最近企業の資本が入り、東京都内や大阪市内でも、増加傾向にある。中でもメインとなっているのは客室数30〜40室のコンパクトタイプ。そのため、フロントを設けて、受付スタッフを配置すると利益が出なくなってしまう。運営を無人化する目的で、RemoteLOCKの導入が進んでいる。


RemoteLOCKの利用シーン。レンタルスペース、ホテル/簡易宿所/民泊

RemoteLOCKの利用シーン。賃貸物件、オフィス

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