東京23区のオフィスビル供給「大量供給の反動で2021〜22年は過去半分まで大幅減」:産業動向(1/2 ページ)
森トラストは、東京23区内のオフィスビル供給量の動向を示す2019年版のレポートを公表した。今後の市場予測では、2021年を境に、これまでの大量供給の反動で、例年の半分以下にまで落ち込むが、2023年は回復基調に戻ると予想している。
森トラストは、2019年版の東京23区を対象にしたオフィスビルの供給量調査を公表した。同社では、1986年より東京23区の大規模オフィスビル(オフィス延床面積1万平方メートル以上)、2013年より中規模オフィスビル(同5000〜1万平方メートル未満)の供給動向を調査している。今回とりまとめたレポートでは、2023年までの中規模・大規模オフィスビルの動向を予測している。
エリアトレンドは、「大丸有」から「虎ノ門・新橋」へ
調査結果によると、東京23区における2018年の大規模オフィスビル供給量は147万平方メートルとなり、過去20年間で4番目の高水準だった。
2019年は、102万平方メートルと落ち着く見通しだが、2020年には再び上昇に転じて179万平方メートルの供給が見込まれる。その後、2021年に53万平方メートル、2022年に55万平方メートルと大量供給の反動で大幅減に転じ、2023年は再び上昇となり、99万平方メートルと過去平均の108万平方メートルに近づく供給量と予測する【図1-1】。
ビルの規模別では、近年は10万平方メートル以上が大きく伸長しており、2019〜23年はその割合が6割を超えた。1件当たりの平均オフィス延べ床面積も、1999〜2018年では平均4.3万平方メートル/件だったが、2019〜23年では平均6.3万平方メートル/件まで増加し、今後はビル超大型化の傾向がうかがえるという。
供給エリアでは、2019年以降の5年間で、都心3区での供給割合が23区全体の7割を占め、引き続き高く、区別では港区の割合が急増し、2014〜18年の123万平方メートルから、2019〜2023年には204万平方メートルと、23区に占める割合が42%にまで拡大する【図2-1】。
地区別の推移では、「大手町・丸の内・有楽町」に代わって、「虎ノ門・新橋」が最多となる。都心3区以外では、2019年と2023年に「渋谷区」で一定の供給が継続される【図2-2】。
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