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クオリカが開発したヘルメット装着のウェアラブルIoT、設備現場で実証:現場管理(2/2 ページ)
クオリカが2018年11月に提供を開始した市販ヘルメットに装着するウェアラブルIoTデバイス「iBowQube(アイボウキューブ)」が、日笠工業の現場に試験導入され、三信電気を含めた3社共同で実証実験を進めている。実験では、現場から離れた場所にある管理本部とのコミュニケーション連携やバイタルセンサーによる作業者の体調管理などの有効性を確認する。
iBowQubeに透過型スクリーンの新機能もリリース予定
実験では、iBowQubeの量産品をベースに、日笠工業の自社設備や同社が受注している設備メンテナンスや清掃作業の現場で、実際に必要な機能を検証。マイクやカメラを通して現場作業者と離れた場所にいる管理者の円滑なコミュニケーションを可能にする「遠隔支援サービス」と、作業者のバイタル情報や作業場所の環境情報を収集する「安全管理サービス」を評価した。
具体的には、iBowQubeを装着した作業者の作業結果(時間・品質)と、装着していない作業者の結果を比較。さらに安全管理サービスで得た生体情報や現場環境データなどのさらなる活用方法も検討した。
クオリカでは、「今回の実証実験を踏まえ、iBowQubeによる遠隔支援サービスと安全管理サービスの有効性を高め、三信電気の各種センサーやIoTソリューションとの連携も視野に入れて、日笠工業の作業現場でさらなる作業品質の向上と効率化を進めていく」としている。
iBowQubeの機能としては、2019年秋をめどに、突発的な作業案件での対応を目指し、電子マニュアルなどをそのまま目の前のスクリーンに表示できる独自の透過型スクリーンの開発にも着手している。
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