コンクリ床仕上げロボ、年内には橋梁での適用を見込み勾配に対応:ロボット(1/2 ページ)
日建リース工業は、大成建設が開発したコンクリート床仕上げロボットのレンタル/販売を行っている。このロボットは半自律制御型のため、これまで作業員の体に負担が掛かっていた土間仕上げ作業の省力化や省人化が実現する。2019年内には、平面の床だけでなく、勾配のある屋外での導入も見込み、マイナーチェンジした機体の開発も行うという。
日建リース工業は、「建設・測量生産性向上展2019」(会期2019年5月22〜24日、幕張メッセ)で、コンクリート床仕上げロボット「T-iROBO Slab Finisher」の実機デモを行った。
ルートまたは施工範囲を記憶させるだけで、後は自動化
T-iROBO Slab Finisherは、大成建設が開発したロボットで、日建リース工業はレンタル・販売の総代理店となっている。ロボットは、アマ出しや土間押え後に、コンクリートの床仕上げを半自動で行う。本体の底部に取り付けたコテがプロペラのように旋回して、コンクリ表面を平らにならしながら移動する。コテは左右4枚ずつ計8枚を装備し、サイズは300×200ミリで付け替えもできる。
これまでの床仕上げでは、土間工は、中腰の姿勢を長時間にわたり余儀なくされており、この作業をロボットで代替することで、作業員の肉体的な負担を無くすことができる。また、土間仕上げ用機械を用いた場合にも、機械本体が重く、運搬や適用場所に制約を受けるなどの課題があったがこれも解消される。
ロボットのサイズはL1340×W750×H560ミリで、ワンボックスカーや軽自動車に搭載可能。重量は95キロ(本体78.5キロ+バッテリー16.5キロ)と、現場内への持ち運びも、揚重機を使わずに2人いれば積み下ろしができる。
土間仕上げは季節に左右される部分があり、コンクリが固まりにくい冬場は作業が深夜や早朝までの長時間に及ぶこともあるが、自動施工を導入することで、労働環境の改善につながる。逆にコンクリの硬化が早い夏場には、省人化が見込める。
ロボットの動作は、オペレーターが専用プロポで施工範囲または、手動操縦でルートを記憶させると、内蔵している自動運転で仕上げ作業を繰り返し行う。ルート方式は複雑な平面や障害物が多いケースで、範囲指定は内蔵のコンピュータが範囲内を解析して自ら設定したルートに従って何度も床仕上げを繰り返す。
動力は電動式モーターで、電力は24ボルトのバッテリーから供給され、稼働時間はおよそ3時間。本体とプロポには緊急停止スイッチが備わっている他、安全機構として衝突防止用の外周バンパーも取り付けられている。
日建リースの担当者は、「最近は、倉庫のレベリングや橋梁(きょうりょう)工事で導入可能かといった問い合わせが多い。これを受け、R形状や勾配へ対応するため、2019年夏をめどに定格出力などマイナーチェンジを行う。その後、テストを重ねて、2020年にはフルモデルチェンジを行う予定だ」と開発の方針を示した。
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