電子小黒板用の堅牢タブレット「蔵衛門 Pad」と、工事写真管理ソフト「蔵衛門 御用達2020」の販売強化(2/2 ページ)
ルクレは2019年2月にリリースした堅牢タブレットの電子小黒板「蔵衛門 Pad」の大小2サイズ3機種と、工事写真管理ソフト「蔵衛門 御用達2020」の本格的な販売に乗り出す。同年3〜4月には導入相談や実機デモなどの説明会を要望に応じて、順次開催するという。
化学強化ガラス「Gorilla Glass 3」を採用
初回販売500台のみの特別仕様モデル「蔵衛門 Pad Tough」は、通常の6倍の強度を持つ化学強化ガラス「Gorilla Glass(ゴリラガラス)3」を採用した8インチモデル。耐擦過性に優れ、傷がつきにくく、本体はケースも不要な耐衝撃ボディー。通常のタブレットでは動かない、マイナス20度〜60度の環境下でも動作し、極寒の現場や真夏の炎天下でも不便を生じることが無い。
限定版のタフモデルには、他の機種ではオプションの周辺アクセサリーを標準装備。軍手をはめたままでも操作できる専用ペンやシャッター用ダイレクトボタンを備える。他にも、ショルダーストラップは前カバー付きで液晶を2重で保護する。
担当者は「御用達の電話サポートのなかでPad開発の要望の声を受け、開発するに至った。通常のタブレットでは、工事現場に出入りするトラックのダッシュボードに置いておくだけでも、真夏には壊れてしまう。現場でのヒアリングを重ね、過酷な現場や荒っぽい使い方でも壊れにくい耐久性と導入のしきいが低いイージーITツールを目指した」と話す。
各モデルの価格は、蔵衛門 Padが9万9800円、蔵衛門 Pad miniが8万9800円、蔵衛門 Pad Toughが11万9800円(全て税別)。
電子小黒板と連携強化した「蔵衛門 御用達2020」
蔵衛門 Padシリーズと合わせ同日には、蔵衛門 Padシリーズで撮影した電子小黒板から写真台帳を自動で作成する工事写真用のデジタルアルバム「蔵衛門 御用達2020」をリリース。
2020バージョンでは、写真を保管しておく、本棚ユーザーインタフェースを刷新。より細かく写真を仕分けて台帳に保存できるようになり、1つの工事に対して、工区や工種ごとに複数の本棚を持つことができるようになった。新機能の「本棚仕切り」を使うと、2階層までしかできなかった仕分けが、4階層まで本棚に並ぶ台帳やボックスに細かく仕分けられる。
写真を一覧表示するツリービューは、ページ毎に写真を区切って表示。台帳全体を俯瞰(ふかん)しながら、写真を並び替えられる。
蔵衛門 御用達2020には2つのグレードがあり、Standardは一般建築と一般土木の工種マスターを掲載し、小規模な一般工事に最適。上位グレードのProfessionalは“電子納品”に応じた土木、営繕、NEXCOなどの各基準に応じた工事マスター全6368種類を搭載し、電子小看板入りの写真から写真台帳を自動で作成する。
蔵衛門 御用達2020の価格は、Standardが1万2800円、Professionalは5万円(ともに税別)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 現場周辺の“地中埋設物”をタブレット上にARで可視化、清水建設
清水建設は、GNSS測位法とAR技術を応用し、実際の風景に埋設物の図面を重ねて投影する「地中埋設物可視化システム」の開発に成功した。現場にタブレット端末を持ち込み、システムを立ち上げるだけで、現在地の地中に埋設されている構造物が図面として表示される。図面リストの中から必要なデータをタップすれば、タブレットのカメラで映した実際の風景に、埋設物がオーバーラップして見える仕組み。 - 山岳トンネル工事の出来形検査をタブレットで遠隔立会が可能に、NEXCO西日本の工事に試験適用
清水建設は、山岳トンネル工事における検査・管理業務の合理化を目指し、タブレット端末を用いて現場を撮影し、検査員が事務所PCで確認できる「リアルタイム遠隔立会システム」を開発した。 - コンクリ表面の品質、タブレットでピタリと分かる
日本国土開発と科学情報システムズは「コンクリート表層品質評価システム」を開発した。表面気泡の状況を自動的に判定して施工品質の改善につなげる。ディープラーニング技術を用いることで、従来の画像処理では到達できなかった精度に達した。 - 山口土木が堅牢PC「Latitude Rugged」を現場で活用、工期が3分の2に短縮し売り上げ倍に
ICTの全面的な活用を導入し生産性向上を図る山口土木は、デルの高耐久タブレット「Rugged」を現場で積極的に活用している。導入を決定したのは、同社の取締役 統括技術部長兼総務部長・松尾泰晴氏。「プロの土木アスリートとして、新しい建設業のスタイルをつくる」を掲げ、業務効率化の実績は業界内でも高く評価されている。