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“電線の劣化診断”を効率化するドローンのプロペラを搭載した軽量点検ロボット:ジャパン・ドローン2019(2/2 ページ)
香川高専は、四国電力、テクノ・サクセスと共同で開発中の「送電線点検ロボット」を「ジャパン・ドローン2019」に出品した。このロボットであれば、これまでの送電線点検で課題だった高いコストや作業負担を低減できることが見込める。実用化は2020年の予定。
カメラは計3台を搭載、時速1.5〜3.5kmで動画を撮影
点検は、作業者がラジコンのプロポで操作して、ロボットを走らせながら搭載されているカメラで動画を撮影して行う。カメラは両サイドに2台と、上部から真下の送電線を映す計3台。カメラの機種は「GoPro HERO5 Black」で、ビデオ解像度は最高4K/30fps。GPSを搭載している他、電子式の手ブレ補正の機能も備えている。
点検ロボットの走行速度は1.5〜3.5km/h(キロメートル毎時)。振り子型フレームで安定感があり、最大登坂角度は30度以上、上下の振動を抑えるおもり「ダンパ」や付属金具の乗り越えも可能だ。動力は、マクセル製のLi-ionバッテリー2台。
会場では、2019年度の開発仕様と、次期開発仕様の2タイプを展示。2019年度タイプは、送電線に取り付けた後、絶縁棒でドローンと自走機を取り外すが、次期開発機はドローンと一体になっている。
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