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“電線の劣化診断”を効率化するドローンのプロペラを搭載した軽量点検ロボット:ジャパン・ドローン2019(1/2 ページ)
香川高専は、四国電力、テクノ・サクセスと共同で開発中の「送電線点検ロボット」を「ジャパン・ドローン2019」に出品した。このロボットであれば、これまでの送電線点検で課題だった高いコストや作業負担を低減できることが見込める。実用化は2020年の予定。
香川高等専門学校 電子システム工学科 三崎・岩本研究室は、四国電力、テクノ・サクセスと、ともに開発を進めている「送電線点検ロボット」の実機を、「ジャパン・ドローン2019(第4回)」(会期2019年3月13〜15日、幕張メッセ)で披露し、デモンストレーションを行った。
プロペラで自力浮上し、送電線への取り付けが容易に
送電線の点検は、素線切れや落雷あとなどの損傷が発生するため、定期的な点検は不可欠とされている。しかし、現状では航空機からの撮影や“電工”という専門職が高所の送電線に乗って目視確認する「宙乗り点検」が一般的に行われ、高い点検コストや労働災害のリスクがネックとなっていた。
また、新しい手法として、地線を走行させたり、作業員が高所の電線まで担いだりするタイプの点検ロボットも開発はされているが、およそ30kg(キロ)とその重さから、送電線にロボットを取り付ける作業が負担となってしまっている。
新開発の送電線点検ロボットは、重量6kg(キロ)と軽量。送電線への取り付けも、ドローンのプロペラを利用して、ロボット自体が自力で浮上し、作業員は絶縁棒で送電線の上へ誘導するだけのため、安全かつ容易に取り付けが可能になる。さらに、その都度、送電を停止する必要も無くなる。
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