ドローンの全自動運用を実現する「SENSYN DRONE HUB」、ビル点検や被災現場などで活用:ドローン(2/2 ページ)
センシンロボティクスは、自動で離着陸が可能になる完全自動運用型ドローンシステム「SENSYN DRONE HUB(センシンドローンハブ)」の提供を開始した。同システムは、ドローン本体、自動離着陸・充電を行う基地、制御ソフトウェアなどを一体化させている。カメラを搭載することで、大規模な工場やビルの点検、災害現場での監視などを、効率的かつ安全に行うことができる。同社提供のソフトウェアと連携することで、簡単にフライトプランも設定できる。
フライト設定は、「ウェイポイント」と「エリアスキャン」で設定
SENSYN FLIGHT COREは、サンプルデータをベースに、フライトプランの設定や実績データの一元管理などを行う統合プラットフォーム。一定のスキルが求められるフライト設定などを現場で安全・簡易に行いたいというニーズに応えている。大規模な工場や倉庫棟、被災地域や高所などの危険区域での定期点検での利用を想定している。
フライト設定は、1.ウェイポイント飛行と、2.エリアスキャンの2通りで設定できる。1.は決められたルートを飛び、各ポイントでドローンが実行するアクションを個別に指定する。2.は例えばインフラの点検箇所や測量など、特定のエリアを入力することで範囲内を網羅して撮影する飛行ルートを自動で作成する。
フライトプラン・実績データの一元管理は、サーバ上でフライトログデータと撮影データをひも付けて、一括管理する。これまで撮影データの容量が大きく、一元的な管理は難しかったが、情報を集約することで、ドローン業務の容易な管理が可能になった。
また、さまざまなメーカーのドローンにも対応。複数機での同時飛行や、UTM(ドローン管制システム)への接続機能も備える。
今後については、「ウェイポイント飛行、エリアスキャン以外の撮影方法も実装していく予定」(同社)とのことで、拡張性にも期待ができる。
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