山口土木が堅牢PC「Latitude Rugged」を現場で活用、工期が3分の2に短縮し売り上げ倍に(3/3 ページ)
ICTの全面的な活用を導入し生産性向上を図る山口土木は、デルの高耐久タブレット「Rugged」を現場で積極的に活用している。導入を決定したのは、同社の取締役 統括技術部長兼総務部長・松尾泰晴氏。「プロの土木アスリートとして、新しい建設業のスタイルをつくる」を掲げ、業務効率化の実績は業界内でも高く評価されている。
遠隔操作やVR活用での5Gに期待
視察の前に行われた記者説明会で、松尾氏は、3DデータやVRのメリットについて、「図面だけではわかならないイメージの共有が図りやすいことや図面の不整合を発見しやすいこと、さらに日本語が堪能ではない、外国人の作業員でも、3Dデータで直感的に現場を事前に理解できることがある」とその利点を挙げた。
松尾氏は、これまでにもICTを活用した社内の効率化に取り組んでおり、8年ほど前には社用のiPhoneを7台購入し、図面やスケジュールをクラウド管理することで、現場を効率化し、売り上げも2倍近くに伸ばした。
ICT導入によって変わったことは、「工期が3分の2に短縮。3カ月が2カ月に短くなったことで、売り上げアップにもつながった。また、新しい取り組みが評価されたことで、以前はほとんど下請けの案件ばかりだったが、元請け仕事が増え、今では民間工事の土木造成工事などの元請けが半分を占めるまでになった」。
近年、建設業界でも広がりを徐々に見せている働き方改革に関しては、「土木業界は一般的に週休2日制ではないが、1年の仕事を8カ月でできるようになれば、残りの4カ月を均等に割り振るだけで週休2日の体制が整う。生産性が向上することが、休みが増えるだけと言う人もいるが、売り上げにつながることでもある。今はどこでも仕事ができる時代。必ずしも出社する必要はなく、在宅でも対応はできるはず。もちろん、現場に出て体を動かすのが好きな人もいる。会社が強制するのではなく、自分に合った働き方を選べることができるようになるのが理想」だとする。
今後の技術導入では、「今感じている課題が通信による遅延で、次世代通信規格の“5G”時代が訪れれば、さまざまなことが実現する。中継局を通る度に0.1秒遅れてしまう建設機械の“遠隔操縦”は、現状では操縦が難しく、大手でも使える人は限られていると聞いている。また、VR内でデータを修正したら、元の3次元データにリアルタイムでアップデートされれば、それが現場とすぐ共有できて、より生産性の向上が図れる」と期待を語った。
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