内・外装に“178m3”の木材を使用しながら、耐火にも優れる構法・部材とは?:木材利用の促進(1/2 ページ)
清水建設は、名古屋市内で計画中の4階建て集合住宅に、中大規模の耐火建築を対象として開発したハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド」と木質耐火部材「スリム耐火ウッド」を初適用した。
清水建設が2018年12月に着工した同社の社宅「茶屋ヶ坂アパート建替計画」で、ハイブリッド木質構法「シミズ ハイウッド」と木質耐火部材「スリム耐火ウッド」が初適用された。シミズ ハイウッドとスリム耐火ウッドは、公共建築物等木材利用促進法を受け、木材利用のニーズが今後も高まることを見越し、建築物の木質化・木造化に付加価値をもたらす技術。
木造とRC造をミックスさせたハイブリッド構造「シミズ ハイウッド」
シミズ ハイウッドは、木質構造と鉄骨造、または鉄筋コンクリート造の自由な組み合わせを可能にした木質構法。今回の計画では、中層の集合住宅で必要とされる耐震性や耐火性、遮音性などを確保するため、木質構造とRC造の最適な組み合わせを追求した。
設計では、構造体や内・外装の仕上材として、合計178m3(立方メートル)もの木材を見込む。そのため、プロジェクトは国土交通省から2018年度の「サステナブル建築物等先導事業(木造先導型)」に採択されている。
基本的な構造計画は、地下1階の柱頭部に設けた11基の免震装置上に、幅50.5m(メートル)、奥行き17.0m、厚さ90cm(センチ)の人工地盤を築き、その上に4階建ての建物を載せる架構。このうち、木質構造部は、建物長辺方向の外周に位置する梁(はり)56体と柱28体、間柱56体、各住戸内に原則2体ずつ配置する耐震壁57体から成る。柱・梁の接合部には、シミズ ハイウッドの核となる耐震性、耐火性、施工性に優れたプレキャストコンクリートの接合部材(PCa接合部材)を用いて一体化する。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.