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施工BIM活用の所作と摺り合わせ(施工BIMのスタイル)「施工BIM活用の流儀」施工BIMスタートアップとステップアップの道筋(4)(1/2 ページ)

今回の連載は、施工BIMを導入するに当たって、初心者、入門者の視点で、日建連BIM専門部会発行の各冊子を分かり易く解説する事を念頭においた。また、広く世間に公開されている施工BIMに関する情報を鵜呑みにせず、施工BIMの実態を正しく冷静に見る視点や、施工BIMの今後の方向性や有るべき姿なども交えて解説する。これらの連載内容を今回「施工BIM活用の流儀」と名付けた。

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 本連載は、日本建設業連合会 BIM専門部会発行の各冊子を参照しながら、施工BIM導入のポイントを、初心者、入門者の視点で、分かりやすく解説することを念頭に置いている。

 連載の第3回は、「日建連 BIM専門部会・専門工事会社BIM連携WG」(以下、連携WG)が作成した「施工BIMのスタイル 施工段階における元請と専門工事会社の連携手引き 2014」(2014年11月)の内容を「施工BIM活用の所作と摺り合わせ」と題して、詳しく説明する。

第3回:施工BIM活用の所作と摺り合わせ(施工BIMのスタイル)


施工BIMのスタイル(画像クリックで有料申込み先へ) 出典:日建連 BIM専門部会

 連携WGは、2014年11月に国内初の施工BIMの手引書となった「施工BIMのスタイル」(施工段階における元請と専門工事会社連携の手引き 2014)を発行した。

 手引書をまとめた意図は、施工段階でBIMを活用するには、専門工事会社との連携が必須であり、また施工段階からでもBIMモデルを活用するメリットは十分にあると考えたからである。また、施工段階のBIMを推進するための手引きが必要との認識がゼネコン・専門工事会社の双方にあったからだ。

 手引きの主な内容は、施工BIMの考え方、施工BIM成功へのワークフロー、工事別の施工BIMの紹介、実際の実施事例などを網羅している。

 なかでも、「BIMモデル合意への挑戦」と題して、鉄骨製作図承認前のチェック業務の効率化を目指した、鉄骨ファブとゼネコン間の「BIMモデル合意」という施工BIMを活用した新たな合意形成の運用方法を初めて提案しているところがポイントだ。

 現在では、「BIMモデル合意」という言葉は業界でも認知されるようになってきたが、2014年当時はまだまだ「挑戦」という段階だった。

 「BIM モデル合意」では、各種専門工事会社が作成したBIMモデルを元請が統合し、関係者が一同に介した「BIMモデル調整会議」にて、BIMモデルを見ながら干渉確認や施工性検討などの「摺り合わせ」を行い課題を解決する。これにより、打ち合せ用2次元図面の削減や無理のない納まりにつながるなど施工BIMのメリットを享受することができる。承認には2次元図面を用いるが、合意形成までをBIM モデルで行う方法を示している。


従来の合意形成とBIMモデルによる合意形成の違い
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