業界でも稀な“河川分野”のCIMソフト「RIVER_Kit」、堤防・河道に特化した機能とは?:CIM(2/2 ページ)
川田テクノシステムは2018年12月5日、建設3次元CAD「V-nasClair(ヴィーナスクレア)」のアドオンとして、3D河川堤防・河道設計システム「RIVER_Kit(リバーキット)」をリリースした。
LandXML形式での出力が可能で、i-Constructionに対応
河道設計では、河道中心線を作図し、中心線上に堤防高や高水位、高水敷高などを設定するだけで河道モデルが出来上がる。
自動作成されたモデルには、ICT施工で利用するための属性情報が自動付与される。別途、i-ConstructionとCIMのデータ交換ツール「i-ConCIM_Kit」を利用すれば、即時にLandXML形式で出力。土工数量では、「平均断面法(2D)」と「1点点高法(3D)」の2種類の計算方法で、CSVで書き出される。
また、平面上で、用地境界線を定義(作図)しておけば、用地の干渉状況が一目で分かり、計画法尻を用地境界位置で止めたり、ふさぐことも可能になる。境界位置で、サーフェスモデルの切断面の可視化などにも応じる用地境界コマンドも備えている。
他の機能では、生成したモデルでは、2次元の平面図・横断図・縦断図も出力。縦断図は縦横の作図スケールを変更でき、延長が長い場合は複数ページに分割して作図する。帯項目の作図設定は堤防用、河道用といったパターン登録が可能だ。「部品」機能では設置された水路や縁石などもそのままの形状で横断図に表記できる 。
こうした機能は全て、河川設計に特化したスピーディーな操作性が考慮されている。
RIVER_Kitの価格は、すべて年間レンタルで、アクティベーション版が18万円/年、ねっとさーばCloud版が36万円/年。
RFA研究会の構成メンバーは、いであ、建設技術研究所、東京建設コンサルタント、東京コンサルタンツ、日本工営、パシフィックコンサルタンツ、三井共同建設コンサルタント、川田テクノシステム株式会社(事務局・座長)。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- BIM/CIMデータを官民で共有できるプラットフォーム構築を目指す、国交省のi-Construction動向
国土交通省では、ICT技術による生産性革命プロジェクトのうちの一つ、i-Constructionで、BIM/CIMガイドラインの策定をはじめ、大規模構造物でのCIMの試行、BIM/CIM発注者向け研修など、さまざまな施策を展開している。buildingSMART International Summit,Tokyoにおける国交省の講演から、最新のBIM/CIMの取り組みを探った。 - BIM/CIM推進委員会が初会合、2018年度は大規模構造物の詳細設計などで200件の導入を目指す
国土交通省は2018年9月3日、CIMの推進委員会にBIMも含めた「BIM/CIM推進委員会」の第1回会合を同省特別会議室で開催した。 - 地上点群データと埋設物モデルを統合したCIM、HoloLensで施工箇所を“可視化”して事故防ぐ
大成ロテックは、CIM(Construction Information Modeling)と、MR(複合現実)技術を組み合わせ、道路埋設物を現場で可視化する新技術を開発し、和歌山市内の電線共同溝工事に初適用した。この技術により、通常は見ることのできない、地中の構成物を着工前に確認することで、工事中に起きやすい埋設管の破損事故などが防げる。 - CIM×ARのインフラ維持管理、点検画像と変状情報を点群データ上に表示
建設コンサル最大手の日本工営は、ARとCIMモデルを活用したインフラの維持管理を行っている。CIMモデル上にMicrosoft HoloLensで取得した点検情報や画像を貼り付け、一目で以前の点検内容が分かる独自のシステムを構築した。