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砂防堰堤を対象にした「ドローン点検」の要求性能明確化へ、意見募集を開始:ドローン点検(2/2 ページ)
砂防・地すべり技術センター(STC)は、ドローン(UAV)を使った砂防堰堤(えんてい)の自動巡回・画像取得技術を評価するため、性能評価項目と試験方法を整備する考えだ。今後行われる技術公募では、機体性能などの事前調査と、実際の砂防施設を対象にした試験が課せられる。
「画像データの取得性能」「飛行経路の正確性」「時間効率性」で評価
ドローン点検の対象となる砂防施設は、長崎県島原市の水無川1号砂防堰堤左岸付近の河川敷に設置されているテストピースで基本性能を把握し、同市内の鮎川砂防堰堤の本堤と下流流路工、上流の堆砂域で、変状箇所や経年変化を把握するテストを行う。
最終的な試験結果の評価では、STCに提出された報告書を基に、「画像データの取得性能」「飛行経路の正確性」「時間効率性」の各技術で算出。画像データの取得性能は、目視点検とドローン点検との変状箇所数との比較などから、「情報収集能力」「正確性」「経年変化把握能力」の3つの項目で評価する。飛行経路の正確性は、鮎川砂防堰堤の自動航行の際に設定した飛行経路と誤差の絶対値合計で測る。
今回の意見募集は、国土交通省などが行う新技術活用システムの「テーマ設定型(技術公募)」実施に向けた手続きの一環。STCが第三者機関として選定されており、現場ニーズに基づきテーマを設定し、民間などの優れた技術を公募して現場で活用して、評価する。
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