砂防堰堤を対象にした「ドローン点検」の要求性能明確化へ、意見募集を開始:ドローン点検(1/2 ページ)
砂防・地すべり技術センター(STC)は、ドローン(UAV)を使った砂防堰堤(えんてい)の自動巡回・画像取得技術を評価するため、性能評価項目と試験方法を整備する考えだ。今後行われる技術公募では、機体性能などの事前調査と、実際の砂防施設を対象にした試験が課せられる。
砂防・地すべり技術センター(STC)は、実際の試験を含めた技術公募に先立ち、ドローンを使った砂防堰堤の点検技術を評価する「性能評価項目」と「試験方法」を取りまとめる。そのため、2018年12月下旬まで要求性能に対する意見を募集している。
砂防堰堤のドローン点検技術を確立
募集した技術テーマは「UAV等を用いた砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術」。これまでドローンを使った砂防堰堤の自動巡回・画像取得技術は複数が開発されているものの、評価手法が確立されていないという課題があった。
今回、性能評価項目と試験方法をまとめ、砂防特有の環境下で、安全で効率的・効果的な点検に適した技術を選定するための枠組みを整える。それらの評価項目と試験方法に基づき、今後実際にドローン技術を募集して同一条件のもとで試験し、結果を比較することで、優位性のある技術を特定する。
意見募集の対象者は、砂防堰堤の施設点検またはドローンなどの性能・操作技術にかかわる研究者・発注者・設計者・施工者・製造者・その他一般。意見を求める内容は、「試験方法(案)」「性能評価項目と評価指標(案)」「事前調査票(案)」の3点。
今回の意見募集後に広く求める技術公募では、STCが作成する評価表をベースに、応募者には事前調査と、実際の飛行試験を行って技術の有効性をテストする。
事前調査では、使用するドローンの機体や撮影機器、画像を整理するソフトウェアなどの仕様について確認することを目的とし、事前に「UAVの機体・撮影機器の仕様に関する事前調査票(案)」へ記入し、STCへ提出する。
飛行試験の実施フローでは、現地作業外で、ドローンの機器性能に応じて飛行計画書を検討・作成して提出し、公的機関への飛行許可を申請。現地では、天候・風速を確認し、機器本体・計測センサーの飛行前点検や飛行準備に要した時間を計測する。その後の飛行試験では、画像を撮影して、航行時間、撮影時間を測る。現地での飛行後には取得画像を整理し、変状箇所を図面に記入。最後にデータの整理結果をとりまとめて報告書を提出するまでが一連の流れ。
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