ニュース
アイエイチプランニングと竹腰永井建設が“砂防設備管理”でドローン活用のプロジェクト開始:ドローン点検(2/2 ページ)
アイエイチプランニングと竹腰永井建設が、山岳部の「砂防設備」を対象に、ドローンを活用して維持管理するプロジェクトを開始した。
現地作業前に岩盤崩落などの危険箇所を発見
さらに、砂防堰堤(えんてい)工事周辺の高所岩盤部分をドローンで上空から観察したところ、岩盤部分に大きな亀裂を確認。現地作業に入る前に、岩盤崩落の恐れがある場所を察知することで、安全対策を講じることにもつなげられる。
アイエイチプランニングは、法面施工後の経過観察においても、可視・赤外線カメラを同時搭載したドローンにより、効率的に維持・管理が行えるとしている。今後は今回行った実績を踏まえて、引き続き砂防管理エリアでの現状把握の検証を重ね、国内の他の砂防管理エリアにも適用していく。
一方、竹腰永井建設では、2018年に砂防/治山/山腹工事などのICT化が、国土交通省の推進する「革新的技術の導入・活用に関するプロジェクト」および中小企業庁の「ものづくり技術」に採択されている。公共事業では、国土交通省主導により石川県でも一部で試行的に行われるようになったICT化だが、急峻(きゅうしゅん)な地形・立木/岩盤/転石などの障害が多く、衛星感度も低い砂防工事ではこれまでICT化は難しいといわれていた。
しかし同社では、50年以上に渡って砂防/治山/山腹工事に携わってきた経験と、高い技術力を生かし、ドローンによる測量や3次元データの活用、ICT建設機械での施工に積極的に取り組み、一層の安全性強化と生産性の向上を図っていくとしている。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
- 国交省が検討している河川・港湾のドローン点検の課題と将来像
インフラメンテナンス国民会議は2018年9月14日、第2回となる「ドローン×インフラメンテナンス」連続セミナーを東京・千代田区の中央合同庁舎で開催した。2018年5月の初開催に次ぐ2回目の今回は、ドローン技術のニーズとシーズのマッチングに向けた自治体の取り組みと課題の共有、会員企業の製品やサービスを紹介した。 - 大林組ら3社が「山岳トンネル工事」で使う“長尺鋼管”の40%軽量化と曲げ強度確保に成功
大林組は、新日鐵住金、亀山と共同で、山岳トンネル工事の「長尺鋼管先受け工法(AGF工法)」に用いる長尺鋼管を薄肉化させた新AGF工法を開発した。この工法では、鋼管を40%軽量化し、作業負荷の軽減、生産性の向上がもたらされる他、鋼管接続の作業でも40%の時間短縮が実現する。 - ドローンでインフラを3Dモデル化、不具合箇所をAIが解析
NTTコムウェアがインフラ設備点検向けのドローンソリューションを発表。ドローンで撮影した画像を3Dモデル化し、このデータをAIが分析することで、インフラ点検業務を効率化するという。 - ソフトバンクが2019年春にインフラ構造物のドローン点検に本格参入、米・5×5の技術をベースに
ソフトバンクは、インフラの老朽化対策として、ドローンによる社会インフラの保全を行う新サービスを開発し、2019年春から提供を開始する。