アイエイチプランニングと竹腰永井建設が“砂防設備管理”でドローン活用のプロジェクト開始:ドローン点検(1/2 ページ)
アイエイチプランニングと竹腰永井建設が、山岳部の「砂防設備」を対象に、ドローンを活用して維持管理するプロジェクトを開始した。
国土交通省は、点検作業の効率化と安全性向上のため、2019年度に砂防施設の点検要領を5年ぶりに見直すことを発表している。新要領では、ドローンによる点検を平時・緊急時を問わずに行えることを目指す。
こうした国の動向を受けて、ドローンによる調査/点検業務を行っているアイエイチプランニングと、白山国立公園内の砂防工事など土木分野でのICT化に取り組んできた竹腰永井建設がタッグを組み、砂防設備管理にドローンを活用するプロジェクトをスタートさせた。
「可視」と「赤外線」のカメラを搭載したドローンで砂防設備の維持管理
プロジェクトでは、白山国立公園内の砂防施設で「可視」と「赤外線」の2種類のカメラを同時に撮影できるドローンを導入し、検証を進めている。ドローンを点検調査のツールとして用い、危険箇所の把握や土砂水源の確認、岩盤に発生している亀裂部分の特定など、工事計画段階での安全対策や法面(のりめん)施工の工法などを検討する際の参考にする。
通常、砂防施設の点検には、高所作業や転落などの危険が伴う。砂防設備のある山間部では、GPSの捕捉が難しいため、フライト中のドローンが不安定になりやすく、制御不能になることもあり得る。しかし、安定した飛行のためのGPSセンサーを切った状態での操縦や、斜面から一定の距離を保ちながらの撮影には、ある程度の操縦スキルと経験を要するため、ドローンをなかなか導入し難い現場の一つとなっていた。
これまでの検証では、高精細な可視カメラによる上空からの撮影画像で、人の目線では発見不可能な岩盤の亀裂を見つけ出し、人が立ち入れない場所の状況確認でも、ドローンの有用性を実証。
赤外線カメラの画像からは、斜面から山水が染み出している箇所を発見した。通常のカメラだけでは見つけづらい異常も、地表の温度分布が分かる赤外線カメラを使うことで効率的に把握できる。
また、GPSの捕捉が十分な場所であれば、自動航行の航路を設計し、定期的に同じ場所の画像を取得することで「経過観察」も可能になる見通しも立ったという。
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