建設業の求人に関して企業に詳しく公開してもらいたい情報とは?独自のアンケート調査から探る(3):建設業の人材動向レポート(3)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。まず「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果について3回にわたり詳しく紹介する。建設技術者にフォーカスした調査は非常に少なく、本調査の結果が、建設技術者の転職に関する実態を的確に把握して、その採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。
本稿では、ヒューマンタッチ総研が独自に実施した、「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果から、最終回となる3回目は、求人に関して企業に詳しく公開してもらいたい情報について紹介する。
■詳細な情報へのニーズが最も高いのは「配属される職場の具体的な業務内容」
求人に関して企業に詳しく公開してもらいたい情報として、最も多くの人が望んでいるのは「配属される職場の具体的な業務内容」(71.6%)、次いで、「給与・賞与・手当など」(67.3%)となった(図表1)。
前回にご紹介した、転職に際して重視する条件として、「やりがいのある仕事ができる」「今までの経験、スキル、保有している資格等を生かせる」を挙げる人が多かったことからも分かるように、建設技術者は転職に際して仕事内容への拘りが強く、配属された職場でおこなう業務についての詳細な情報を求めているという実態が浮かび上がった。
一方、詳細な情報に対するニーズが少ないのは、「会社の経営戦略」(19.3%)、「入社後の教育・研修体制」(22.2%)、「人事評価制度」(23.6%)となっている。
■20歳代では「残業時間」「休日・休暇」の詳細な情報へのニーズが高い
求人に関して企業に詳しく公開してもらいたい情報として「残業時間」を選んだ人の比率を年齢層別に見ると、20歳代が76.5%で最も高くなっている(図表2)。
また、「休日・休暇」を選んだ人の比率も20歳代が最も高くなっており(図表3)、20歳代では平均的な残業時間、残業が発生する頻度、年間勤務日数、夏季休暇、年末年始の休暇、有給休暇の消化率などについての詳しい情報を求めていることが分かる。
年齢層別の集計・分析は次のようになる。
■20歳代では、業務内容以上に休日・休暇、残業時間、給与・賞与・手当といった勤務条件に関する情報ニーズが高い
20歳代において、詳細な情報へのニーズが高いのは「残業時間」「休日・休暇」「給与・賞与・手当など」(いずれも76.5%)であった。一方、全体では詳細な情報へのニーズが最も高かった「配属される職場の具体的な業務内容」については58.8%にとどまっている(図表3)。
20歳代の若手層においては、業務内容以上に休日・休暇、残業時間、給与・賞与・手当といった勤務条件に関する情報ニーズが際立って高くなっていることが分かる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.