昇降機のBIMモデル設計支援で、オートデスクと東芝エレベータが提携:BIM
オートデスクは東芝エレベータと共同で、エスカレーターなどのBIMモデルを活用した設計支援サービスを推進させるため、戦略的パートナーシップを2018年10月に締結した。
オートデスクは東芝エレベータと昇降機のBIM(Building Information Modeling)モデルを活用した設計支援サービスを推進させるため、戦略的パートナーシップを締結した。
「Autodesk Forge」で昇降機のBIMモデルをクラウド上で一元管理
今回の業務提携では、オートデスクの開発した「Autodesk Forge」を活用。Autodesk Forgeは、オートデスクのクラウド サービスを構成するさまざまな機能を Web サービス API やフレームワークとして提供する開発プラットフォーム。これをクラウド上で昇降機のBIMモデルを対象に、管理・運用することで、品質向上と業務効率の改善につなげる。
具体的には、BIMソフトウェア「AutodeskR Revit」で設計した昇降機のBIMモデルをクラウドで一元管理。施工会社や設計事務所などの工事関係者と、クラウド上で共同作業ができるコラボレーション環境を構築して、関係者間の合意形成を円滑にする。
昇降機の企画から設計、製造、工事、保守、リニューアルまでのライフサイクル全体をクラウド環境下で運用・管理するため、竣工した後の維持管理の利便性向上も図れる。
東芝エレベータは、2012年よりBIMを専門に取り扱う部門を設立し、業界に先駆けて昇降機のBIMモデルをいち早く提供してきた。これまでにWebサイト上で、エレベーターなどの設置計画を簡単に行えるBIMパーツダウンロードサービスの他、ユーザーのBIMモデルと連携して、昇降機の納まり検討、鉄骨部材の配置や取り合いの調整を効率的に実施できる設計・施工支援サービスを展開している。
現在では、全国の支社店にBIMで設計支援ができる担当者を配置しており、本社や工場からBIMの高度かつ専門的な知識を有した設計者を全国に派遣できる体制を整えている。
両社はBIMを通じて、建築業界の課題である人手不足の解決、「働き方改革」を支援できる施策を提供し、これからもBIMの先進企業として新たな価値を創造し、社会に貢献していくとしている。
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