“10兆円企業”を目指す大和ハウス工業が成長基盤と位置付けるBIMへの取り組み:Autodesk University Japan 2018(3/5 ページ)
大和ハウス工業は、大成建設のBIM(Building Information Modeling)アプリケーション「T-REX」をカスタマイズし、自社の既存テンプレートから全面移行した。これにより、意匠・構造・設備がAutodesk Revitで連携する一気通貫の体制を整えることに成功している。最近の成果として、日本ERIの協力のもと、Revitで作成したBIMモデルによる建築確認申請を実現したという。
2020年には全ての新築自社設計・施工物件をBIM対応
伊藤 BIMの成功には、次の6つの原則が挙げられる。(1)生産性向上を常に目標とする(2)BIMのワークフフローに従って実務を行う(3)常に“モデル=図面”である(4)設計〜施工関係者には“Revit”という共通言語が必要(5)関係者全員が“モデルを中心”に業務を行う(6)次工程とデータを連携する。
次に大和ハウス工業のBIM方針を述べたい。当社では2017年4月12日、社長はじめ役員が勢ぞろいしてBIM推進室キックオフミーティングが行われた。席上、当時の社長は「BIMは、今後の大和ハウスの将来を担うものである」と言明。2055年に10兆円企業を目指しており、BIMはその成長戦略の技術的基盤と位置付けている。
BIMの推進にあたっては段階を踏み、導入レベルを上げていくことが重要。意匠・構造・設備・見積・工場が部門別に対応する状態から、その連携・統合、そして設計〜施工の一気通貫体制へ、最終的にはオーナーとの連携も含めたレベルにまで段階的に成長していく必要がある。
伊藤 当社では、建築系部門ではシステム建築・一般建築・中高層賃貸住宅、住宅系部門では低層賃貸住宅・戸建住宅と、広範にわたり総合生活産業を展開しているが、全部門がRevitを中心としたBIM構築を目指している。建築系は3カ年計画のもと、2019年4月には受注金額20億円以上の大型物件、2020年4月には全ての新築自社設計・施工物件をBIM対応とする予定だ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.