建設技術者の現在の勤め先への満足度、独自のアンケート調査から探る:建設業の人材動向レポート(1)(1/2 ページ)
本連載では、ヒューマンタッチ総研が独自に調査した建設業における人材動向をレポートする。まず「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果について3回にわたり詳しく紹介する。建設技術者にフォーカスした調査は非常に少なく、本調査の結果が、建設技術者の転職に関する実態を的確に把握して、その採用・定着に向けた戦略を考えるうえで少しでもお役に立てれば幸いである。
本稿では、ヒューマンタッチ総研が独自に実施した「建設技術者の仕事への満足度と転職意識に関するアンケート調査」の結果について3回にわたり詳しく紹介する。
まず、第1回目の今回は、建設技術者の現在(直近)の勤め先への満足度について紹介する。
■「研修・教育体制」「評価・処遇」の満足度が低く、「休日・休暇」の満足度が高い
現在勤めている会社について、満足していない人の比率(「まったく満足していない」と「あまり満足していない」の合計)が最も高いのは「研修・教育体制」(54.2%)、次いで「評価・処遇」(51.0%)となり、人材育成体制や人事制度への満足度が低いという結果になった。
一方、満足している人の比率(「非常に満足している」と「やや満足している」の合計)が最も高いのは「休日・休暇の日数」(42.9%)となった。「休日・休暇の日数」については、全ての年齢層で満足した人の比率が高くなっており、建設業各社の週休2日制導入へ向けての取り組みが成果を上げつつあるのではないかと考えられる(図表1)。
■若手層では「給料の額」「ワークライフ・バランス」「労働時間(残業時間)」の満足度が低い
年齢層別に見ると、20歳代の若手層と40歳以上の中堅層で満足度の違いが鮮明に出ている。
20歳代で満足していない人の比率が最も高いのは「給料の額」(52.9%)であり、次いで「ワークライフ・バランス」(47.1%)、「労働時間(残業時間)」(41.2%)となり、若手層では給料と労働時間への満足度が特に低いことが分かる。
一方、中堅層である40歳代で満足していない人の比率が最も高いのは「研修・教育体制」(58.7%)、次いで、「評価・処遇」(52.2%)となり、人材育成体制や人事制度への満足度が低くなっている。50歳代を見ると、満足していない人の比率が最も高いのは「評価・処遇」(66.7%)であり、次いで「研修・教育体制」(61.6%)となっており、この2つの項目への満足度が40歳代から更に低下している。
年齢層別の傾向を詳細にみると次のようになる。
■20歳代では給料と長時間労働への満足度が低い
20歳代で満足していない人の比率が最も高いのは「給料の額」(52.9%)であり、次いで「ワークライフ・バランス」(47.1%)、「労働時間(残業時間)」(41.2%)となり、若手層では給料と労働時間への満足度が特に低いことが分かる。
一方、満足している人の比率が最も高いのは「休日・休暇の日数」(41.2%)であった(図表2)。
■30歳代は全体的に満足度が高い
30歳代は、「休日・休暇の日数」(55.1%)、「労働時間」(44.9%)、「仕事内容」(44.8%)、「仕事のやりがい」(43.1%)の4つの項目で満足な人の比率が40%を超えており、全体的に満足度は高い。
満足していない人の比率が最も高いのは「研修・教育体制」(50.0%)であった。(図表3)
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