道路管理車にセンシング機を搭載して3次元データを収集、国交省:道路管理×センシング(1/2 ページ)
国土交通省は、道路管理用の車両に、レーザーやカメラなどのセンシング装置を搭載し、道路上の3次元データの収集を開始する。センシング技術の導入により、電子化が遅れている地方道の情報を効率的に集めて電子化し、特大トラックなどの通行を審査している「特車通行許可審査」を迅速化することがねらい。
国土交通省は、道路管理用の車両にセンシング装置を搭載し、一般道の3次元データ収集を2018年8月2日から、初弾の関東地方整備局管内を皮切りに、各地方整備局で順次行っていく。対象の道路は、道路情報データがまだ電子化されていない都道府県道、市町村道。
走行時に点群データを取得し、道路情報の3次元データを作成
センシング装置は、衛星を用いた測位システム「GNSS」、姿勢や傾きの観測が可能な慣性計測装置「IMU」、物体に照射したレーザー光の反射波で座標点群データを取得する「レーザー」、地上の物体を判別するための500万画素の「カメラ」で構成する。
各機器を搭載した車両で走行しつつ、3次元点群データを取得し、道路上の主要地物(車道交差点部の形状、区画線、距離標、標識、バス停)の位置情報や幅員を把握する。点群データだけでは地物の大きさなどを認識できないことがあるため、カメラで撮影した現場写真と比較して確認する。点群データの密度は50点/m2(平方メートル)以上で、数値地形図の精度は25cm(センチ)以内(地形図縮尺で1/500)。
導入に先立ち国土交通省では、2016年9〜10月にセンシング技術を公募。その後、2017年1月に実証実験を国土技術政策総合研究所の試験走路や国道16号、国道126号で行い、計測機器の精度や遮蔽(しゃへい)物がGNSSの測位に与える影響、導入コストなどを確認した。実験に参加した企業は9者だが、センシング機器および3次元化のソフトウェアは地方整備局ごとに調達するため、統一して特定企業の技術が採択されたわけではない。
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