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BIMモデル上に、ビルのあらゆる情報を集約して見える化(1/2 ページ)

大林組は、BIM(Building Information Modeling)モデルを活用して、建物に関するあらゆる情報を集約するためのプラットフォーム「BIMWill」を開発した。2018年6月25日に、2017年8月に竣工したオフィスビル「oak神田鍛冶町」へ始めて導入したことを明らかにした。

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 大林組は、BIMモデルを活用して、設備機器の稼働状況や維持管理の情報だけでなく、地図や天候といった外部情報も集約したプラットフォーム「BIMWill」を開発した。建物利用者の位置情報、暑さや寒さなどの体感情報も組み込むことで、実際の建物のリアルタイムデータが仮想空間で再現され、ビルメンテナンスだけに限らないさまざまなサービスを展開していくことが可能になる。

BIMベースのプラットフォーム「BIMWill」をオフィスビルに初適用

 実際の導入は、大林組グループの大林新星和不動産が所有するテナントオフィスビル「oak神田鍛冶町」で初適用された。設計・施工段階で活用したBIMモデルをベースに、設備機器が発信する情報をはじめ、維持保全に必要な情報、日々の管理業務で生成される情報をBIMWill上でひも付け、建物管理業務の効率化、高度化を図っているという。

 開発は、大林新星和不動産、大林ファシリティーズ、オーク情報システム、オーク設備工業、熊本大学らとの共同。


BIMWillのシステム概要およびユーザーの利用イメージ 出典:大林組

 BIMWillはクラウド上に構築されており、インターネットを介してWebブラウザから、さまざまな情報を入力または閲覧する仕組み。グラフィカルユーザーインタフェースがBIMモデルのため、ユーザーは空間の位置関係などを直感的に把握でき、複合的なデータを一元的に可視化しているため、単一の情報では得られなかった新たな気付きも生まれる。大林組では、商業施設で室温や湿度、明るさなどの環境情報と、来館者の位置情報や購買記録を組み合わせれば、来店客の購買意欲を高める新たな販促方法の提案もあり得るとしている。


モデル外観+出来事表示 出典:大林組

地図上での建物位置+出来事(故障警報など)表示 出典:大林組

 これまでビル設備のシステムは、建物管理者がシステムごとの情報を個別に収集して、状況把握や分析、書面にまとめる作業を行っていた。BIMWillを使うことで、建物管理に必要な情報は、一つのWeb画面に統合されているため、これまでの煩雑な作業が大幅に効率化する。また、クラウドのため、インターネット環境があれば、離れた場所で、複数のビルを管理することができる。

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